海の上で見る星空は、周りのビルや家々、近くの山々に邪魔されることがないのでとても広く、頭の上から水平線まで、そしてほぼ360°どの方角も見渡すことができます。陸上では広い砂漠や草原、高い山の上でしか見られないそんな星空を、さんふらわあの船上で、どうぞお楽しみ下さい。
※当イベントは開催日限定イベントです。イベント日程はこちらでご確認ください。
2023年の流星群
2023年7月の夜空
南東の空
- この星空が見える時間
- 7月初旬22時半頃
- 7月中旬21時半頃
- 7月下旬20時半頃
7月の星と聞くと、やはり七夕の星が思い浮かぶでしょうか。7月に入ると日暮れとともに、おりひめ星とひこ星、そして天の川も東の低い空に昇ってきており、七夕の星は一晩中空にあります。ただこの梅雨時期、星が見えないことが多いのに節句がある不思議を、多くの人が感じていることでしょう。これは1872年まで使っていた旧暦の節句を、現代の暦の日付をあてることから起こるずれです。旧暦は今の暦とは約1ヶ月のずれがあり、七夕とは本来、今の暦の8月、梅雨が明けてからの節句なのです。旧暦に照らした伝統的七夕の日は、今年は8月22日にあたり、そのころは雨も少なく、空が暗くなればおりひめ星は頭上に輝き、天の川も高い空から南の水平線に流れます。今月は晴れた日、少し遅い時間に空を見上げたら七夕の星々がよく見えるでしょう。特に月の影響を受けない中旬は、おりひめ星とひこ星の間に十文字星を見つけられたら、きっとそれに重なる天の川も見えてきます。天の川が海にそそぐ南の低い空には、北斗七星とよく似た形の南斗六星が見えるようになってきました。中国では南斗六星と北斗七星は、それぞれ生と死を司る仙人の姿とされています。今月は、南斗と北斗の両方を一緒に空に眺められる、一番よい時期です。ぜひ探してみてください。南斗六星のさらに先には、魚つり星、さそり座が水平線の上に立ち上がります。西洋ではサソリの目とも心臓ともされるアンタレスは、アンチ・タレス、つまり「火星に対抗する星」という意味で名づけられたといわれます。火星はそろそろ見納めとなるので、似ているといわれてきた二星の赤い輝きを、どうぞ見比べてみてください。
北西の空
- この星空が見える時間
- 7月初旬22時頃
- 7月中旬21時頃
- 7月下旬20時頃
7月に入ると、春からよく見えていた星々は、日暮れとともに西寄りの空に見えるようになります。その中で最も明るい星は麦星で、ちょうど麦の刈り入れの頃に、日没とともに高い空で明るく輝きだします。瀬戸内や九州では梅雨前に麦の収穫が終わるので、もう少し東寄りの空で輝く姿を昔の人は見上げ、そのように呼んだのでしょう。熟れた麦の色は小麦色といわれますが、ちょうど今最盛期を迎えている北海道では、きっと小麦色の麦畑が広がっているはずです。麦星は見える時期が合うだけでなく、その色も小麦色をしていることから、麦熟れ星、麦刈り星という地域もあったようです。麦星から北に目を移すと、天から垂れ下がるような柄杓の形をした北斗七星が見えます。そして北斗七星からは、常に真北で輝いて方角を教えてくれる北極星を探しだすことができます。北極星は、北極では頭の真上で輝き、日本では水平線から35°前後の高さに見えます。つまり見る人の立っている北緯度の高さに見えるので、南北に旅をするとその見える高さが変化するのです。大阪と鹿児島では約3°緯度が違いますから、うまく測れば違いに気づけるかもしれません。ぜひ試してみてください。北斗七星の柄の曲がりを延ばしていくと麦星が輝き、さらにその先にはスピカが輝いて、雄大な「春の大曲線」が空に見えてきます。麦星の下方にデネボラを見つければ「春の大三角」も現れます。今年はそろそろ見納めとなる春の星々を、どうぞ楽しんでください。
宵の西空に輝く明星・金星と火星
先月から日に日に近づくようすが見られていた金星と火星が、月初に最接近します。その後、金星は急速に高度を下げはじめ、下旬には見るのが難しくなります。金星は今年に入ってずっと宵の明星として見えていましたが、8月下旬に明けの明星として早朝の東の空に姿を見せるまで、しばらく見えない期間に入ります。春先は1等星の輝きを見せていた火星は、2等まで暗くなり存在感が薄れてきています。下旬の10日間は、この二惑星の間に割り込むように水星が姿を現します。日没後間もない水平線から10°前後の低い西の空にも、注目してみてください。
- 暗い中屋外で行動することになりますので、事故などには十分注意してください。特にお子様は、保護者の方と一緒に行動するようにしましょう。
- 明るい船内からデッキに出てすぐは、目が暗さに慣れていません。何分かデッキにいて目を慣らしてから、やっと星空や流星などの暗いものが見えるようになります。屋外に出て流星が見えないからといってすぐにあきらめてしまわずに、目が慣れるまでしばらく(15分ぐらい)待つことも必要です。
- 船は時速40キロ以上で走っています。意外に風が強く、船首で発生した海水のしぶきがかかることもありますので、風下での観測をお勧めいたします。
- 外部デッキの暴露部は波しぶきがかかったり、潮風で濡れていることが多く、大変滑りやすくなっていますのでスリッパやサンダル等すべり易い履物は着用しないで下さい。また、デッキは海面上20m以上あること、万が一夜間航海中に海中転落されますと発見が困難であることから、手すりに寄りかからないようお願い申し上げます。