商船三井さんふらわあ 関西↔九州航路

運航状況

株式会社フェリーさんふらわあは、商船三井フェリー株式会社(首都圏~北海道航路)と合併し、2023年10月1日より、株式会社商船三井さんふらわあとして発足いたしました。

星空教室 2023年6月

さんふらわあの夜空

海の上で見る星空は、周りのビルや家々、近くの山々に邪魔されることがないのでとても広く、頭の上から水平線まで、そしてほぼ360°どの方角も見渡すことができます。陸上では広い砂漠や草原、高い山の上でしか見られないそんな星空を、さんふらわあの船上で、どうぞお楽しみ下さい。

※当イベントは開催日限定イベントです。イベント日程はこちらでご確認ください。

2023年6月の夜空

東の空

東の空
この星空が見える時間
6月初旬22時半頃
6月中旬21時半頃
6月下旬20時半頃

21日に夏至を迎える6月は、1年で最も日暮れが遅く、20時を過ぎてようやく星がしっかり見えてくるようになります。東の空にはまず、夏の空で一番明るいおりひめ星が昇ります。織姫は中国から伝わった七夕伝説の織女ですが、日本では機屋(はたや)で神を迎える巫女・たなばたつめ(棚機津女)と重ねられ、おりひめ星は「たなばた」とも呼ばれていました。そのため、ひこ星の前に昇る明るい星には「あとたなばた」や「たなばたの後星」「ふるたなばた(古棚機)」というような名前が付けられていました。21時半を過ぎるころにはひこ星が昇ってきて、七夕の星が勢ぞろいし、夏の夜空のシンボル「夏の大三角」全体が見えて、夏が近づいてきたことが感じられます。月明かりのない夜なら、あとたなばたが高い空に昇ってくると、あとたなばたに重なって天の川が見えてきます。天の川の中で輝くことから、あとたなばたには「あまのがわ星」という名前も伝わっています。あまのがわ星が見えてくると、そこを頂点として十字架様に並ぶ「十文字星」が見えてきます。西洋では大神ゼウスが化けた白鳥、中国では織女と牽牛を会わせるために天の川にかかる橋となるカササギ(鵲)に見立てられたこの十文字星は、その縦のラインがちょうど天の川と重なります。天の川を探すときの手がかりにするとよいでしょう。天の川の流れていく先には、さそり座が水平線に立ち上がるように姿を見せています。西洋ではサソリに見立てられたこの星座は、日本では釣針に見立てられて「魚つり星」という名前が伝わります。ハワイでも同様に、釣針に見立てられていたそうです。海に囲まれた島の民の発想は、きっと似てくるのでしょう。ちなみに中国では龍に見立てられ、サソリでも龍でも、赤く輝く1等星アンタレスはその心臓とされています。梅雨前の晴れた夜や、五月晴れの夜にはぜひ、夏の星々と天の川を探してみてください。

西の空

西の空
この星空が見える時間
6月初旬22時頃
6月中旬21時頃
6月下旬20時半頃

6月になると、春の星々は南から西にかけての空に現れます。その中でも一等明るい麦星は、熟れた麦のようなオレンジ色に輝き、よく目立ちます。梅雨に入ると空は雨雲に覆われがちになりますが、そんな夜でも麦星は、少し雲が薄くなれば薄雲越しにでもぼんやりと輝きます。そんな梅雨空での輝きを見てなのか、この星には五月雨星(さみだれぼし)という名前も伝わっています。早春にいち早く空に姿を見せ始めるしし座は、その分沈むのも早く、6月に入ると深夜には見えなくなってしまいますが、早い時間帯にはまだその雄姿を楽しむことができます。今月はこの獅子の胸で輝く1等星レグルスに向かって、金星と火星が近づいて行く珍しい光景が見られます。火星と金星は互いの離隔を縮めながら日に日にレグルスに近づき、三星は7月頭に最接近します。星座をつくる星々はその位置関係を変えずに動いていきますが、地球とともに太陽を廻る惑星は、星座の中を日々移動していきます。金星と火星はその動きがよく見える惑星で、数日おきに観察するとその動きを感じられるでしょう。22日前後は二惑星と一緒に細い月も並び、きっと印象に残る星景が見られます。高度は日々低くなっていくので、下旬は20時半までに見に行ってください。

明けの空に輝く木星・土星・1等星

深夜を過ぎると東の空には秋の星々が昇りはじめ、明け方の空の半分には秋の星座が広がっています。ただ6月は夜明けが最も早いので、4時を過ぎると空が白んできて、秋の暗い星々は朝焼けに消えていきます。そんな中で、みなみのひとつ星(フォーマルハウト)だけは、白んででくる空にしばらく輝き続けます。今年は、そのみなみのひとつ星の上空に土星がもう少し明るく輝き、また東の空では木星が明るく輝きます。 かなり早起きしなくては見られませんが、もし早くに目が覚めたなら、ぜひ薄明の空に輝く秋の星と惑星たちを眺めに行ってみてください。

デッキで星を見られるお客様へのお願い 星を見るには外に出ることになります。以下の注意事項をお守りいただき、星空を楽しんでいただきますようお願い申し上げます。

  • 暗い中屋外で行動することになりますので、事故などには十分注意してください。特にお子様は、保護者の方と一緒に行動するようにしましょう。
  • 明るい船内からデッキに出てすぐは、目が暗さに慣れていません。何分かデッキにいて目を慣らしてから、やっと星空や流星などの暗いものが見えるようになります。屋外に出て流星が見えないからといってすぐにあきらめてしまわずに、目が慣れるまでしばらく(15分ぐらい)待つことも必要です。
  • 船は時速40キロ以上で走っています。意外に風が強く、船首で発生した海水のしぶきがかかることもありますので、風下での観測をお勧めいたします。
  • 外部デッキの暴露部は波しぶきがかかったり、潮風で濡れていることが多く、大変滑りやすくなっていますのでスリッパやサンダル等すべり易い履物は着用しないで下さい。また、デッキは海面上20m以上あること、万が一夜間航海中に海中転落されますと発見が困難であることから、手すりに寄りかからないようお願い申し上げます。

星空教室 講師紹介

  • 田島 由起子
    自然教育事務所 宙 代表。大学で宇宙や地球について学び、高校講師を経て…

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  • つちたに のりお
    ある時はコンピューターエンジニア、ある時はスキューバダイビングのイン…

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  • 船田 智史
    大学時代には天文同好会に所属。1987年9月の沖縄金環日食を観て以来、皆既…

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  • 藤原 正人
    小学生のころより星空に興味を持ち、惑星、流れ星、彗星、星雲、星団その他…

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  • 坂元 誠
    星空と宇宙の楽しさを人に伝えることを仕事にして20年、多くの人々を星…

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