海の上で見る星空は、周りのビルや家々、近くの山々に邪魔されることがないのでとても広く、頭の上から水平線まで、そしてほぼ360°どの方角も見渡すことができます。陸上では広い砂漠や草原、高い山の上でしか見られないそんな星空を、さんふらわあの船上で、どうぞお楽しみ下さい。
※当イベントは開催日限定イベントです。イベント日程はこちらでご確認ください。
2023年の流星群
2023年2月の夜空
南東の空
- この星空が見える時間
- 2月初旬21時頃
- 2月中旬20時頃
- 2月下旬19時頃
1月の末から2月の頭は1年で最も寒い時期ですが、2月4日の立春を過ぎると、寒いながらも季節は少しずつ春へと移っていきます。このころ、「冬の大三角」や「冬のダイヤモンド」を描く明るい1等星たちは、日暮れとともに南東から頭上の空に勢ぞろいで現れます。1月にこの領域全体が見えるのは、日が暮れてしばらくしてからなので、夜空で最もにぎやかに見えるこの星空をいちばん楽しめるのは、早春の2月といえます。今年はここに、赤く明るく輝く火星も加わり、より一層にぎやかになっています。星座をつくる星、恒星は、その配置、位置関係を変えることなく日々少しずつ動き、1年で元に戻ってきますが、惑星はその星座の中を複雑に、惑うように動いていきます。これは恒星がはるか遠くにあるのに対し、それぞれに太陽を廻っており、私たちも地球に乗って太陽を廻りながら他の惑星を見ていることから起こる現象です。特に火星と金星は、明るくかつその動きが大きくよくわかるので、見ていておもしろい惑星です。今月の火星は動きが小さいものの、それでも冬のダイヤモンドの外から中へ移動していくようすが見られます。ぜひ、日々変化する火星の位置に注目してみて下さい。冬の1等星の中で最も明るく輝く大星(シリウス)は、地球から見て最も明るい恒星です。この大星が真南に来る頃、大星の下の方、水平線ギリギリのところに星が昇ってきます。これは、中国や日本で古来、滅多に見えないことから見えたら縁起がよいとされてきた、老人星(カノープス)です。大気の影響でそれほど明るく見えませんが、高い空に昇る南方の国々では、大星に次いで明るく輝く星です。逆に言うと、北の地域でとても低くても見えるのは、本来とても明るい星だからなのです。晴れて視界のよい夜は、ぜひ探してみて下さい。
北の空
- この星空が見える時間
- 2月初旬21時頃
- 2月中旬20時頃
- 2月下旬19時頃
月明かりのない晴れた夜、暗いところで夜空を眺めていると、南の空で輝く大星(シリウス)から頭上のすまるのあいて星(カペラ)にかけて、冬のダイヤモンドを突っ切るように流れる天の川が見えてきます。冬の天の川は夏より薄いですが、その雄大さは変わりません。この流れをそのまま北の空へ延ばしていくと、天の川はM字形に星が並ぶやまがた星(カシオペヤ座)へとつながっていきます。真冬は北の高い空に見えていたやまがた星も、2月に入ると少し北西に領きます。やまがた星からは、真北の空で動かない北極星を見つけることができます。方角の指針となる北極星は、かつて海の航海には欠かせない大切な星でした。もちろん現在でも、地上でも目印となるので、視界の広い海上の空で見つけ方を覚えておくと役に立つことがあるかもしれません。秋から冬の間は、やまがた星がよく見えるので頼りになりますが、春から夏にかけては北斗七星の方が手がかりになります。2月になると、それまで低く見えにくかった北斗七星が徐々に見えやすくなってきて、どちらからも北極星を探すことができるようになります。ぜひ両方から探してみましょう。そして東の低い空には、「?」を反転させたような星の並び、獅子の大鎌が見えるようになってきました。これはしし座の頭にあたる部分で、西洋の草刈り鎌の形に似てることからついた名前です。しし座が見えてくると、春がもうそこまで来ていると、星空からも感じることができます。
宵の西の空に明星ふたつ
2月に入ると、南西のほどよい高さで明るく輝いていた木星が、西の空に傾いて、21時頃には沈んでいくようになります。一方、西の低い空に見えていた金星は、日に日に高い空に昇ってきます。二惑星は月末に向けてどんどん接近していき、3月2日、高度20°あたりの空ですれ違っていきます。同じ惑星でも太陽から離れゆっくり廻る木星は、星座をつくる恒星と同じような動きを見せますが、太陽に近く速く廻る金星は、惑星ならではの大きな動きをし、その動きがよく見える2月の宵の空です。ふたつの明星の動きに注目してみましょう。
- 暗い中屋外で行動することになりますので、事故などには十分注意してください。特にお子様は、保護者の方と一緒に行動するようにしましょう。
- 明るい船内からデッキに出てすぐは、目が暗さに慣れていません。何分かデッキにいて目を慣らしてから、やっと星空や流星などの暗いものが見えるようになります。屋外に出て流星が見えないからといってすぐにあきらめてしまわずに、目が慣れるまでしばらく(15分ぐらい)待つことも必要です。
- 船は時速40キロ以上で走っています。意外に風が強く、船首で発生した海水のしぶきがかかることもありますので、風下での観測をお勧めいたします。
- 外部デッキの暴露部は波しぶきがかかったり、潮風で濡れていることが多く、大変滑りやすくなっていますのでスリッパやサンダル等すべり易い履物は着用しないで下さい。また、デッキは海面上20m以上あること、万が一夜間航海中に海中転落されますと発見が困難であることから、手すりに寄りかからないようお願い申し上げます。