商船三井さんふらわあ 関西↔九州航路

運航状況

株式会社フェリーさんふらわあは、商船三井フェリー株式会社(首都圏~北海道航路)と合併し、2023年10月1日より、株式会社商船三井さんふらわあとして発足いたしました。

星空教室 2024年3月

さんふらわあの夜空

海の上で見る星空は、周りのビルや家々、近くの山々に邪魔されることがないのでとても広く、頭の上から水平線まで、そしてほぼ360°どの方角も見渡すことができます。陸上では広い砂漠や草原、高い山の上でしか見られないそんな星空を、さんふらわあの船上で、どうぞお楽しみ下さい。

※当イベントは開催日限定イベントです。イベント日程はこちらでご確認ください。

2024年の星空

2024年3月の夜空

南西の空

南西の空
この星空が見える時間
3月初旬22時頃
3月中旬21時頃
3月下旬20時頃

冬至を過ぎて3ヶ月、今月は20日に春分を迎え、日没時刻は冬至の頃より1時間ほど遅くなってきます。日が暮れると、まずは西の空にひときわ明るい木星が輝きだします。金星に次いで明るく、でも金星とは違い夜中でも見られる木星は、この半年のあいだ毎日、長い時間夜空を賑わしていましたが、今月は夜中を待たず21時前後には沈んでいきます。宵の空に見られる時期も終わりに近づいてきましたので、どうぞ今のうちに堪能してください。木星に続いて輝きだすのは、明るい冬の1等星たちです。冬は終わりに近づいてきましたが、これらを結んで描ける「冬の大三角」や「冬のダイヤモンド」は今月もまだよく見え、楽しめます。星は、輝きが「キラキラ」と表現されるように、瞬くことが知られています。でも実は、木星などの惑星は瞬きません。「キラキラ」ではなく、「キラーッ」と瞬かずに輝き続けます。この違いは、見た目の大きさによって起こります。星座をつくる星々は太陽と同じ自ら輝く恒星で、実際は惑星よりはるかに大きいのですが、はるか遠くにあるため望遠鏡で見ても形はわからず、点にしか見えません。そんな恒星から届く細い光線は、地球大気の揺らぎによって揺れて見えるのです。一方、望遠鏡で形を見ることのできる惑星は、その天体の輝く形の中に光の揺らぎが埋もれてしまい、瞬くことがないのです。明るい星で見比べるとその違いがよくわかります。ぜひ、木星と冬の1等星たちで観察してみてください。

北東の空

北東の空
この星空が見える時間
3月初旬22時頃
3月中旬21時頃
3月下旬20時頃

3月に入ると、夜が更けてくると北斗七星が高くに昇ってきて、よく見えるようになります。「斗」は柄杓を意味する文字で、北斗七星は北の空に見える柄杓形の星座という意味であり、この名前は中国から日本にも伝わって今に至ります。西洋では、古代ギリシャ人が熊の体と尾の部分に見立て、現在もおおぐま座とよばれています。しかしそれより古くには、四角い部分を台車、延びる柄の部分を馬を繋ぐ棒と見て、馬車にも見立てられていました。紀元前3,000年頃に発明された車輪は人類初期の大発明であり、シンプルな北斗七星のような形の馬車は、西洋でも中国でも古代から使われていました。そして西洋では「チャールズの車」(チャールズは王の名)、中国では「帝車」という名前でこの星座はよばれていたようです。日本にも似たような形をした牛車が平安時代には使われていましたが、車に見立てた星座名はなく、しかし妙見信仰と結びついて祀られたり、サイコロの目と重ねて四三(しそう)の星とよばれたり、船舵に見立ててかじ星とよばれたり、ほかにも日本独特のよび名は数多く伝わっています。東の空のしし座は、空を駈け昇らんとする獅子の姿ですが、顔の部分を草刈り鎌に見立てた西洋に対し、雨樋を掛ける金具に見立てた名前が日本には伝わっています。国や地域による名づけ方の違いには民族性がよく表れていて、さまざま比べてみるのは面白いものです。

マジックアワーに輝く木星と水星

毎夜、夜空でひときわ明るく輝いていた木星が、だいぶ西に傾いてきました。3月上旬の日没後は、まだ高い空に輝きはじめますが、下旬になると夕焼けの残る西の空に輝きはじめます。木星は星座をつくる1等星の星よりかなり明るく輝き、暗くなりきらないマジックアワーの美しい空にもしっかり輝いて見えるのです。3月の下旬は、木星の下方、水平線から10°ほどの高さに、水星が現れます。低い空にしか現れず、またすぐ沈んでしまうので、意識的にならなければまず見ることのない星です。空が広い船上で、ぜひ見つけ出してみて下さい。

デッキで星を見られるお客様へのお願い 星を見るには外に出ることになります。以下の注意事項をお守りいただき、星空を楽しんでいただきますようお願い申し上げます。

  • 暗い中屋外で行動することになりますので、事故などには十分注意してください。特にお子様は、保護者の方と一緒に行動するようにしましょう。
  • 明るい船内からデッキに出てすぐは、目が暗さに慣れていません。何分かデッキにいて目を慣らしてから、やっと星空や流星などの暗いものが見えるようになります。屋外に出て流星が見えないからといってすぐにあきらめてしまわずに、目が慣れるまでしばらく(15分ぐらい)待つことも必要です。
  • 船は時速40キロ以上で走っています。意外に風が強く、船首で発生した海水のしぶきがかかることもありますので、風下での観測をお勧めいたします。
  • 外部デッキの暴露部は波しぶきがかかったり、潮風で濡れていることが多く、大変滑りやすくなっていますのでスリッパやサンダル等すべり易い履物は着用しないで下さい。また、デッキは海面上20m以上あること、万が一夜間航海中に海中転落されますと発見が困難であることから、手すりに寄りかからないようお願い申し上げます。

星空教室 講師紹介

  • 田島 由起子
    自然教育事務所 宙 代表。大学で宇宙や地球について学び、高校講師を経て…

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  • つちたに のりお
    ある時はコンピューターエンジニア、ある時はスキューバダイビングのイン…

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  • 船田 智史
    大学時代には天文同好会に所属。1987年9月の沖縄金環日食を観て以来、皆既…

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  • 藤原 正人
    小学生のころより星空に興味を持ち、惑星、流れ星、彗星、星雲、星団その他…

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  • 坂元 誠
    星空と宇宙の楽しさを人に伝えることを仕事にして20年、多くの人々を星…

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