東の空

この星空が見える時間

12月初旬21時頃

12月中旬20時頃

12月下旬19時頃

下旬に冬至を迎える12月は、日の入りが17時前後と1年で最も早く、19時ごろにはしっかりと星が見える空になっています。12月の東の空は、日没とともに明るい冬の1等星が次々に昇ってきて、とても賑やかになります。今年はさらに、2年2ヶ月ぶりに接近する火星がとても明るく輝き、賑わいを増しています。地球を含め、惑星は皆それぞれのペースで太陽を廻っており、星座のように規則正しく決まった季節に姿を見せません。そして地球と他の惑星との距離は、星座をつくる恒星に比べて日々大きく変化するので、見える明るさもずいぶんと変化します。火星は去年の春にもこの領域に見えましたが、そのときと比べ今月は15倍も明るく輝いています。しかしこの輝きは来月には半減しますので、今月はぜひ火星に注目しましょう。火星に続いて昇ってくる、赤字で名前を示した星々が冬の1等星たちです。地球から見える1等星とよばれる明るい星は全部で21個ありますが、そのうち7個がこの領域に集まっており、ここは地球から見える最も賑やかな星空です。冬の夜空のシンボル「冬の大三角」や、平家星(ベテルギウス)を除いた6個の1等星を結んでできる六角形「冬のダイヤモンド」を見つけられたら、冬の星空の全体像が見えてくるでしょう。 星団のすばるは、早い時間に高い空に昇り、見えやすくなってきました。きっと名前は知っているけど見たことがない方も多いでしょう。ぜひ探してみてください。火星の上方を目の端で見ると、ポワッと淡い輝きが見えるはずです。目のよい方は、そこに6，7個の星が見えるかも知れません。この星の見方は、天の川や流れ星を見るときにもよい方法です。ぜひ、試してみてください。

北西の空

この星空が見える時間

12月初旬20時半頃

12月中旬19時半頃

12月下旬18時半頃

夏に一晩中夜空に見えていた夏の大三角が、いよいよ見納めの時期となってきました。暗くなるとすぐに見えはじめるこの星たちですが、深夜までに西の空に沈んでいきます。最期まで見えるあまのがわ星は、十文字星の頂で輝いています。この十字は夜空に掲げられた十字架のようで、クリスマスシーズンにぴったりの星座でしょう。十文字星の縦のラインは、天の川と重なっています。あまのがわ星はまさに、天の川の中で輝いているのです。夏に見えるものと思われがちな天の川ですが、実は冬の空にも流れています。十文字星から北の空のやまがた星へ延びるその流れは、東の空の五角星を通り、冬の大三角へとつながります。夏の大三角から冬の大三角へとつながる天の川、月のない夜はぜひ眺めてみてください。夏の空に明るく華を添えていた土星は、おりひめ・ひこ星と並んで沈んでいきます。惑星としては動きがゆっくりな土星は、来年も夏の大三角の近くに姿をみせますが、これからしばしのお別れです。一方、南の高い空でひときわ明るく輝いている木星は、もうしばらく楽しめます。今月は東の空が冬の1等星や火星でにぎやかになってきますが、それでも木星の輝きは特別で、未明に秋の四辺形と一緒に沈んでいくまで、木星は夜空をリードしていきます。