海の上から見る星空は、普段陸から見ている星空と違って、街の明かりや山に邪魔されることがないのでとっても綺麗です。頭の上から水平線まで、360度どの方角も見渡すことができます。陸からでは広い砂漠や草原、高山の上からしか見られない、特別な星空を、さんふらわあからどうぞお楽しみください。流星群や天の川を見た記憶は、忘れられない想い出になります。
※当イベントは開催日限定イベントです。イベント日程はこちらでご確認ください。
2022年の流星群
2022年6月の夜空
東の空
- この星空が見える時間
- 6月初旬22時半頃
- 6月中旬21時半頃
- 6月下旬20時半頃
夏至を迎える6月は日の入りが19時~19時半ごろと遅く、星が見えてくるのは20時をまわるころからになります。まだ夏というには少し早いですが、十分に暗くなる21時をまわると、東の空に七夕の星々が形づくる夏の大三角が昇ってきます。夏の大三角の星はどれも白く、おりひめ星がひときわ明るく輝いています。おりひめ星と彦星の間に横たわる十字架は、西洋では大神ゼウスの化身である白鳥が翼を広げて飛ぶ姿に見立てましたが、日本では見たまま十文字星や、十文字さまとよんでいたようです。この「十文字さま」のように、太陽や月、そして星にも「さま」を付けて敬意や親しみをもってよぶのは、日本ならではの風習です。おりひめ星が「たなばた」ともよばれていたことから、たなばたの後に続いて昇る十文字星の中で最も明るい星には、「あとたなばた」という名前が伝わっています。十文字星の長軸をそのまま南斗六星や魚つり星の方へ延ばしていくラインは、ちょうど天の川と重なります。天の川は、低い空では大気の霞でわかりづらいですが、深夜、夏の大三角が頭上に昇ってくるころには見えてきます。その天の川の中で輝くあとたなばたは、あまのがわ星ともよばれていました。眠れない夜は、どうぞ深夜に見に行ってみてください。南東の空の南斗六星は、6個の星で柄杓形に見える、北斗七星と対になる星座です。北斗七星が死を司るのに対し、南斗六星は生を司るとされ、どちらも中国から伝わってきました。南斗六星は北斗七星と比べてずいぶん小さく、また暗い星でできるので見つけにくいですが、北西の空に北斗七星を見つけて、そのまま反対を向いて同じような形を探してみるとよいでしょう。魚つり星は、西洋ではサソリに見立てられた星座ですが、瀬戸内地域では海から引き上げられた釣針に見立てて魚つり星とよんでいました。南斗六星も魚つり星も盛夏によく見える星座ですが、昇ったばかりの立ち上がるような姿は、今の時期だからこそ見られるものです。
西の空
- この星空が見える時間
- 6月初旬22時半頃
- 6月中旬21時半頃
- 6月下旬20時半頃
6月も、頭上から西側の空には春の名残りの星々が輝きます。中でもひときわ明るく輝くのは頭上の麦星で、ちょうど麦の刈り入れどきとなる今の季節、日暮れとともに空高くで輝くことから名づけられたといわれます。麦熟れ星や麦刈り星という名前も伝わっており、まさしく熟れた麦のようにオレンジ色に見えるのも特徴です。6月は、中旬には梅雨に入り、星が見られないことも多くなります。そして今の6月は、だいたい旧暦の五月、皐月(さつき)にあたり、今年もほぼ重なります。五月雨(さみだれ)という言葉がありますが、これは皐月のころの長雨、つまり今でいう梅雨の雨をいい、梅雨の晴れ間に明るく目立って輝く麦星には、五月雨星という名前も伝わっています。七夕の星々が低くてまだ目立ちにくい今の時期、きっと夜空でまず目を引くのはこの麦星でしょう。麦星とともに春の大三角の一角を担うスピカは、白い1等星で、少し控えめに輝きます。この星には、1等星ながらはっきりした和名が知られておらず、「シンジボシ」という響きだけが伝わります。星の和名研究者の野尻抱影はこれを、その清楚な輝きとあわせて「真珠星」と解釈しましたが、皆さんならばどう意味を汲み取りますか? ぜひ夜空のスピカを眺めながら、思いを巡らせてみてください。
明け方の空に月と五大惑星
4月から5月にかけて、明け方の南東の空に集まって見えていた惑星たちは、6月に入ると東の金星から南の土星まで、広い範囲の空にポツポツと点在して輝くようになります。6月後半になるとさらに、東側の端に水星も見られるようになり、肉眼で見える五大惑星すべてが一望できる、珍しい空になります。
6月後半はちょうど有明けの月が見られる巡り合わせにもなり、明け方の空はかなりにぎやかです。水平線から見渡せる海上ならではの空です。夏至の前後で夜明けが最も早い時期ですが、早起きして眺める価値は十分にあるでしょう。
- 暗い中屋外で行動することになりますので、事故などには十分注意してください。特にお子様は、保護者の方と一緒に行動するようにしましょう。
- 明るい船内からデッキに出てすぐは、目が暗さに慣れていません。何分かデッキにいて目を慣らしてから、やっと星空や流星などの暗いものが見えるようになります。屋外に出て流星が見えないからといってすぐにあきらめてしまわずに、目が慣れるまでしばらく(15分ぐらい)待つことも必要です。
- 船は時速40キロ以上で走っています。意外に風が強く、船首で発生した海水のしぶきがかかることもありますので、風下での観測をお勧めいたします。
- 外部デッキの暴露部は波しぶきがかかったり、潮風で濡れていることが多く、大変滑りやすくなっていますのでスリッパやサンダル等すべり易い履物は着用しないで下さい。また、デッキは海面上20m以上あること、万が一夜間航海中に海中転落されますと発見が困難であることから、手すりに寄りかからないようお願い申し上げます。