海の上から見る星空は、普段陸から見ている星空と違って、街の明かりや山に邪魔されることがないのでとっても綺麗です。頭の上から水平線まで、360度どの方角も見渡すことができます。陸からでは広い砂漠や草原、高山の上からしか見られない、特別な星空を、さんふらわあからどうぞお楽しみください。流星群や天の川を見た記憶は、忘れられない想い出になります。
※当イベントは開催日限定イベントです。イベント日程はこちらでご確認ください。
2021年の流星群
2021年10月の夜空
東の空
- この星空が見える時間
- 10月初旬 20時半頃
- 10月中旬19時半頃
- 10月下旬18時半頃
10月に入ると、秋の四辺形が早い時間から空高くに昇り、よく見えるようになってきます。このあたりは明るい星が少なくちょっと寂しい星空ですが、そんな中で大きくぽっかりと口を開けたような四辺形は、2等星の集まりとはいえ、やはり季節のシンボルにふさわしい存在感があります。星座になっているカシオペヤとアンドロメダは、ギリシャ神話のエティオピア女王と姫君で、カシオペヤ座の形は椅子に座る女王の姿、アンドロメダ座は生け贄として岩に縛り付けられた姫の姿とされます。生け贄などと聞くとちょっとドキッとしますが、アンドロメダ姫は天馬ペガススに乗った勇者ペルセウスに無事助けられますのでご安心を。詳しい話はギリシャ神話を参照ください。
さて、そのアンドロメダ姫の腰の脇には、アンドロメダ銀河があります。空の条件がよければ肉眼でも見られる、希な銀河です。銀河とは、太陽や星座をつくる星々のような自ら光を放つ星、恒星が、数千億個集まっているものです。様々な形がありますが、アンドロメダ銀河は渦巻円盤形をしており、私たち地球や太陽を含む天の川銀河も少し小振りながら似た形をしていると考えられています。つまり、私たちから見えるアンドロメダ銀河の姿は、アンドロメダ銀河から見た私たちの姿に近いことになるのです。あちらにも生命が居てこちらを見ているのではないかと、思いを馳せてみたくなります。遥か250万光年彼方にあるアンドロメダ銀河は、はっきりとは見えません。目の端で見たとき、微かにポワッとしたものが見えたら、上等です。秋の夜長に、探してみるのはいかがでしょうか。アンドロメダ銀河が見えないときは、南の空でひときわ明るく輝く木星と土星を楽しみましょう。
南西の空
- この星空が見える時間
- 10月初旬21時頃
- 10月中旬20時頃
- 10月下旬19時頃
10月になっても、西寄りの空には、まだ夏の星々が見られます。頭上で明るく輝くあまのがわ星は、はくちょう座の尻尾にあたる星で、デネブというその西洋名はそのまま尻尾を意味します。白鳥の形は、この星を頂点にした十字形ですが、日本ではこの形を見たまま、十文字星とよんでいました。あまのがわ星から始まる十文字の縦のラインは、まさに天の川の流れに重なり、おりひめ星・ひこ星の間をぬけた天の川は、南西の低い空の南斗六星へと続きます。南斗六星のあたりは天の川の最も濃いところですが、そろそろ見納めの時期になってきました。一方、頭上の夏の大三角は、これから日没が早くなることもあり、年末までは見ることができます。夏の大三角が西に沈むときは、同時に東の空に冬の大三角が昇ってきます。年末なら日没後間もない時間に見られるその風景が、今月はちょうど日付が変わる前後の時間帯に見られます。眠れない夜は、それを眺めに出てみるのもよいでしょう。あまのがわ星から反対側へと流れる天の川は、北西のやまがた星(カシオペヤ座)へと続きます。月明かりのない夜は、ぜひこの雄大な秋の天の川を楽しんでください。
初夏から見えはじめた宵の明星・金星は、今月も宵の南西の空に輝きます。日没から30分もすれば夕やけ空の、水平線から15~20°くらいの高さに見えはじめます。星座をつくる星々とは違う動きをする惑星の金星は、中旬の5日間ほど、さそり座の1等星・アンタレスと接近遭遇します。夏の夜空では明るく目立って輝く赤い1等星のアンタレスですが、金星はその100倍もの明るさで輝きます。並ぶと、いかに金星が明るいのか実感できます。
冬の星たちと明け空の水星
深夜を過ぎると、東の空に次々と冬の星たちが昇ってきます。冬の星には明るい1等星が多く、夜空はキラキラとぎやかになります。星たちはやがて天頂から南の空へと移動し、そこで夜明けを迎えます。明るい1等星たちは、白んできた空でもまだ輝き、日の出少し前まで見ることができます。また10月下旬の明け方は、東の低い空、水平線から10°くらいの高さの空に、水星が姿を見せます。太陽のすぐ近くを廻る水星は、日の出前や日没前のほんの少しの時間しか見ることができません。滅多に出遭えない水星にも注目です。
- 暗い中屋外で行動することになりますので、事故などには十分注意してください。特にお子様は、保護者の方と一緒に行動するようにしましょう。
- 明るい船内からデッキに出てすぐは、目が暗さに慣れていません。何分かデッキにいて目を慣らしてから、やっと星空や流星などの暗いものが見えるようになります。屋外に出て流星が見えないからといってすぐにあきらめてしまわずに、目が慣れるまでしばらく(15分ぐらい)待つことも必要です。
- 船は時速40キロ以上で走っています。意外に風が強く、船首で発生した海水のしぶきがかかることもありますので、風下での観測をお勧めいたします。
- 外部デッキの暴露部は波しぶきがかかったり、潮風で濡れていることが多く、大変滑りやすくなっていますのでスリッパやサンダル等すべり易い履物は着用しないで下さい。また、デッキは海面上20m以上あること、万が一夜間航海中に海中転落されますと発見が困難であることから、手すりに寄りかからないようお願い申し上げます。