海の上から見る星空は、普段陸から見ている星空と違って、街の明かりや山に邪魔されることがないのでとっても綺麗です。頭の上から水平線まで、360度どの方角も見渡すことができます。陸からでは広い砂漠や草原、高山の上からしか見られない、特別な星空を、さんふらわあからどうぞお楽しみください。流星群や天の川を見た記憶は、忘れられない想い出になります。
※当イベントは開催日限定イベントです。イベント日程はこちらでご確認ください。
2021年の流星群
2021年4月の夜空
西の空
- この星空が見える時間
- 4月初旬22時頃
- 4月中旬21時頃
- 4月下旬20時半頃
4月の宵は、西の空がにぎやかです。日没とともに現れる明るい1等星は7個もあり、線で結ぶと、冬の大三角や冬のダイヤモンドとよばれる三角形や六角形になり、どれがどの星なのかすぐに見当がつきます。今年は火星も一緒に輝いて、いっそうにぎやかな春の西空です。この中で最初に沈んでいくのはオリオン座。日本では太鼓に見立てられ、つづみ星とよばれていました。そのくびれ部分は等間隔に美しく星が並ぶ「三ツ星」で、真西に沈んで行くのが特徴です。空に昇って来るときも真東から、縦に三星が順に出て来るので、古くから船乗りには方角の目あて星とされてきたようです。ところで、大阪南港の東側、六甲アイランドの北側には、それぞれ住吉大社と本住吉神社がありますが、どちらも祭神は、底筒男命(そこつつのおのみこと)・中筒男命(なかつつのおのみこと)・表筒男命((うわつつのおのみこと)で、航海や港の守り神とされています。しかしこの三神は、実は三ツ星であるという説もあります。清少納言が書いた枕草子の星の段は「星はすばる、彦星、夕づつ、よばい星…」という書き出しで始まりますが、この「夕づつ」は宵の明星(金星)を意味しており、古代、星を意味する言葉は「つつ」であったとも考えられています。三ツ星は特徴的で古くから航海の目あて星とされていただろうこと、そして三ツ星が東の水平線からひとつづつ順に昇ってくるさまは、古事記や日本書紀の中で伊邪那岐命(いざなぎのみこと)から住吉の三神が産まれるさまとよく重なって見えるからです。大分港と別府港の近くにも、それぞれ安土桃山、江戸時代に造営された住吉神社があります。さんふらわあの旅は、現代の住吉の津(港)から海へ出る、もしくは住吉の津へ向かう航海です。夜空の三ツ星に、旅の安全を祈願してみるのはいかがでしょうか。
東の空
- この星空が見える時間
- 4月初旬22時頃
- 4月中旬21時頃
- 4月下旬20時頃
東の空では、北斗七星から延びる春の大曲線がよく見えるようになってきました。また頭上には獅子の大鎌がよく見え、しし座がゆうゆうと座っている姿が浮かび上がっています。夜空には、航海の目あてとなる星が古くからいくつもあります。最もよく知られているのは北極星です。地球の地軸の延長上、つまり天の北極で輝いているので、時間が経っても季節が変わっても真北の空で動かず、いつも北の方角を教えてくれます。ポツンと輝く北極星はいきなり見つけるのは難しいですが、北斗七星をたよりにすると簡単に見つかります。古代、最初に人がどこから日本に移って来たのかまだ謎ですが、3万年以上前に台湾から船で与那国島に渡って来た人々が初代であるという説があります。まだ何の機器もないその時代、航海の頼りになるのは昼間は太陽、夜は星です。
南向きの頭上近くの空
- 南向きの頭上近くの空
- 21時前後
ただし天の北極の位置は2万6千年周期で移動しているので、目に見える星がそこにない時代もあります。それでも人々は天の北極の近くで輝く星を目印にして航海したに違いありません。3万2千年前は、3等星の少し暗い星がちょうど天の北極で輝き、その星は、やはり北斗七星から見つけ出すことができます。古代人もきっと私たちと同じように工夫し、探し出したことでしょう。
明けの空の木星と土星
4月に入ると夜が明けて空が明るくなってくるのが5時前後まで早くなってきます。一方で、木星と土星の二惑星は太陽よりだいぶ早く昇ってくるようになり、明けの空によく見えるようになってきます。明るい木星は、日の出直前まで朝焼けの空に見られるでしょう。6,7日は、すぐ近くに細い有明の月も並び、いっそう風情のある空が見られます。土星と木星は昨年末、重なってひとつに見えるほど接近しましたが、4ヶ月経つとずいぶん離れました。ゆっくり太陽を廻る土星と、それより内側で太陽を廻る木星の、速さの違いが感じられます。
- 暗い中屋外で行動することになりますので、事故などには十分注意してください。特にお子様は、保護者の方と一緒に行動するようにしましょう。
- 明るい船内からデッキに出てすぐは、目が暗さに慣れていません。何分かデッキにいて目を慣らしてから、やっと星空や流星などの暗いものが見えるようになります。屋外に出て流星が見えないからといってすぐにあきらめてしまわずに、目が慣れるまでしばらく(15分ぐらい)待つことも必要です。
- 船は時速40キロ以上で走っています。意外に風が強く、船首で発生した海水のしぶきがかかることもありますので、風下での観測をお勧めいたします。
- 外部デッキの暴露部は波しぶきがかかったり、潮風で濡れていることが多く、大変滑りやすくなっていますのでスリッパやサンダル等すべり易い履物は着用しないで下さい。また、デッキは海面上20m以上あること、万が一夜間航海中に海中転落されますと発見が困難であることから、手すりに寄りかからないようお願い申し上げます。