海の上から見る星空は、普段陸から見ている星空と違って、街の明かりや山に邪魔されることがないのでとっても綺麗です。頭の上から水平線まで、360度どの方角も見渡すことができます。陸からでは広い砂漠や草原、高山の上からしか見られない、特別な星空を、さんふらわあからどうぞお楽しみください。流星群や天の川を見た記憶は、忘れられない想い出になります。
※当イベントは開催日限定イベントです。イベント日程はこちらでご確認ください。
2021年の流星群
2021年5月の夜空
東の空
- この星空が見える時間
- 5月初旬22時頃
- 5月中旬21時頃
- 5月下旬20時頃
今年は5月1日に八十八夜を迎え、5日に立夏となります。これから梅雨に入るまでの初夏は清々しく、夜空を見上げるのも楽しい季節です。茶摘みの季節は海でも魚がよく捕れるときで、産卵のために海面近くで群がっている魚のようすを、瀬戸内では古くは魚島とよんでいたそうです。そんな季節に空で明るく輝く星を、播磨では魚島星とよんでいました。魚島星(アークトゥルス)は、冬の大星(シリウス)に次いで、日本では2番目に明るく見える恒星です。大星は5月前半ならかろうじて日没直後の西の空に見えますが、これからしばらくは魚島星が夜空の主役となります。魚島星から北側に目をやると、北斗七星が大きく横たわり、南側には可憐に、少しひかえめに真珠星が輝きます。この北斗七星から真珠星、よつ星へと続く大きなカーブは、春の大曲線として知られます。この雄大な曲線は、海の上で初夏の風に吹かれながら見上げると、とても大らかな気持ちにもなります。ぜひ、見上げてみてください。
北斗七星の柄の端から2番目の星は、ふたつの星が重なってひとつのように見える、二重星です。昔は空が暗かったからか、人々の目がよかったからか、暗い方の星にもそえぼし(添星)という名がちゃんとついています。中国でも同じような意味で輔星と名づけられていました。今でも目のよい人にはふたつに別れて見えるので、よく見てみましょう。北斗七星からは、真北の方角を教えてくれる北極星を見つけることもできます。昔は夜の航海には欠かせなかった北極星。これもぜひ探し出してみてください。
夜が更けると、東の低い空にはおりひめ星、彦星と、七夕の星も順に昇ってきます。そして南寄りにはさそり座の1等星・赤星(アンタレス)も姿を現します。赤星の赤色と、火星の赤色はよく似ていると言われます。今月は21時台ならちょうど東西に両星を見ることできるので、見比べてみるのも面白いでしょう。今月も夜空には見どころがいっぱいです。心地よいこの季節の夜空を、ぜひ楽しんでください。
西の空
- この星空が見える時間
- 5月初旬22時頃
- 5月中旬21時頃
- 5月下旬20時頃
5月の西の空には、低いところに冬の1等星たちの名残りの輝きが、もう少し見られます。初旬の日没直後なら、いろしろ(プロキオン)の下にもうふたつ1等星が見え、結んで冬の大三角を見ることもできます。最後まで見られる冬の星は、ふたつ星。ふたご座の二人の頭の星です。東の空では縦に並んで昇ってきますが、西の空では仲良く並んで沈んでいきます。二星が頭をそろえて並んでいるさまは、門柱や門松に見立てられ、かどぐい(門杭)という名でよぶ地域もあったそうです。確かにそろって沈んでいくようすは、杭が打たれて地面にくい込んでいくようにも見えます。冬の星たちは、いよいよ見納めです。ただ冬の1等星たちの間を日に日に動いていた惑星・火星は、今月末にはそこを駆け抜け、冬の星々が見えなくなっても、もう少しだけ夜空に留まります。一方、頭上のしし座は冬の星々を追いかけるように西の空に飛び込んできます。獅子の大鎌ともよばれるしし座の頭は、日本では雨樋を掛ける金具に見立てる地域もありましたが、下向きに見えるこの季節、フック船長の義手のようにも見えてきます。星の見立ては古今東西さまざま。みなさんもぜひ自分なりに遊んでみましょう。
宵の水星・金星そして皆既月食
5月中旬の10日間ほど、日没間もない西の空、水平線から10°前後の低い空に、水星が少しだけ姿を見せます。下旬になるともう見えなくなりますが、入れ替わるように宵の明星・金星が見えるようになってきます。金星はこれから年末まで、宵の低い空に見え続けます。そして5月26日、この日は月食が起こり始めた状態で満月が東の空から昇ってきます。月が地球の影に完全に入る皆既食は、20時9分から20分ほど。滅多に見られない赤銅色の満月を、ぜひ眺めてみましょう。
- 暗い中屋外で行動することになりますので、事故などには十分注意してください。特にお子様は、保護者の方と一緒に行動するようにしましょう。
- 明るい船内からデッキに出てすぐは、目が暗さに慣れていません。何分かデッキにいて目を慣らしてから、やっと星空や流星などの暗いものが見えるようになります。屋外に出て流星が見えないからといってすぐにあきらめてしまわずに、目が慣れるまでしばらく(15分ぐらい)待つことも必要です。
- 船は時速40キロ以上で走っています。意外に風が強く、船首で発生した海水のしぶきがかかることもありますので、風下での観測をお勧めいたします。
- 外部デッキの暴露部は波しぶきがかかったり、潮風で濡れていることが多く、大変滑りやすくなっていますのでスリッパやサンダル等すべり易い履物は着用しないで下さい。また、デッキは海面上20m以上あること、万が一夜間航海中に海中転落されますと発見が困難であることから、手すりに寄りかからないようお願い申し上げます。