海の上で見る星空は、周りのビルや家々、近くの山々に邪魔されることがないのでとても広く、頭の上から水平線まで、そしてほぼ360°どの方角も見渡すことができます。陸上では広い砂漠や草原、高い山の上でしか見られないそんな星空を、さんふらわあの船上で、どうぞお楽しみ下さい。
※当イベントは開催日限定イベントです。イベント日程はこちらでご確認ください。
2025年2月の夜空
南の空
- この星空が見える時間
- 2月初旬22時頃
- 2月中旬21時頃
- 2月下旬20時頃
日が暮れて間もなくすると、まだ夕焼けの残る薄明るい西の空と南東の高い空に、星が光りはじめます。西の空の星は金星、南東のそれは木星で、夜空でひときわ明るく輝くこの二星は、星座をつくる星々より一足先に輝きだします。そして時間とともに木星の周りには冬の1等星が次々と輝きはじめ、21時前後には頭上から南の水平線まで、とてもにぎやかな星空が広がります。ふたご座で赤く輝く火星は、1月半ばに約2年ぶりに地球に接近し、最も明るい時期を迎えました。その後日に日に暗くなり、今月末の明るさは月初の半分となります。それでもまだ近くの1等星より明るく輝いているので、よく目立って見えるでしょう。星座をつくる星々は夜空で互いの位置を変えないので、星座はいつも同じ形をして見えます。一方、太陽を廻る惑星は、星座の中を日に日に移動していくように見えます。通常その移動は西から東向きですが、今月の火星は東から西、逆向きに動きます。12月上旬から始まった逆行とよばれるこの動きは、今月下旬に終わり、火星はまた元の順行の向きに戻ります。向きが変わる前後の期間は動きが小さくなりますが、10日おきくらいに火星の位置を追いかけていくと、惑星ならではの動きを感じられるでしょう。
そして今月は、南の水平線近くに老人星(カノープス)が昇ります。星座をつくる星としては大星(シリウス)に次いで明るい星です。南の国では高い空によく見えますが、中国や日本では低い空にしか昇らないので、暗く見えないことも多く、見られたら寿命がのびると言われた星です。どうぞ探してみてください。
北の空
- この星空が見える時間
- 2月初旬21時頃
- 2月中旬20時頃
- 2月下旬19時頃
秋から北の高い空に見えていたやまがた星(カシオペヤ座)が、だいぶ西に傾いて見えるようになってきました。やまがた星の高度が低くなってくると、北極星を挟んだ反対側に、北斗七星が見えるようになってきます。北極星は、北極に立てば頭の真上で輝く、つまり地球の地軸の先で輝く星です。そのため地球の北半球からならば、一晩見ていても一年見ていても、いつも動かず見えている星です。北極星は少し暗い二等星の星で、いきなり見つけるのは難しいですが、やまがた星や北斗七星をたよりにすると簡単に見つけることができます。常に真北を教えてくれる、方角の指針となる星です。今月はどちらからでも探すことができるので、ぜひ見つけてみてください。太陽と同じく、夜空のほとんどの星は、東から昇って西に沈んでいきます。しかし、やまがた星や北斗七星など北極星周りの星々は、北極星を中心に廻り、沈まないまま再び昇り始めます。この沈まない星々は、古代オリエントでは不死の星として崇められ、古代中国では高貴な星々とされました。日本では、高い空ではふたコブの山と見られたやまがた星は、低い空ではW字形の碇に見立てられ、いかり星という身近な名も伝わる一方、北斗七星は北極星とともに、菩薩の化身・妙見様として祀られています。
輝く明星・金星 見納めの土星
昨年の秋に宵の低い空に見えはじめた宵の明星・金星が、今月は30°を越える、金星としては高い空に輝きます。地球との距離が変化するため惑星は明るさが大きく変化しますが、金星は今月中旬に最も明るい時期を迎え、大星(シリウス)の18倍、木星の8倍もの明るさで輝きます。また惑星は太陽光を反射して輝いていますが、地球より内側で太陽を廻る金星は、月のように欠けて見えます。今月は、少し太った三日月のような姿です。昼間の天文台で、望遠鏡で見せてもらえるかもしれません。そして下旬には、土星がいよいよ見納めの時期を迎えます。
- 暗い中屋外で行動することになりますので、事故などには十分注意してください。特にお子様は、保護者の方と一緒に行動するようにしましょう。
- 明るい船内からデッキに出てすぐは、目が暗さに慣れていません。何分かデッキにいて目を慣らしてから、やっと星空や流星などの暗いものが見えるようになります。屋外に出て流星が見えないからといってすぐにあきらめてしまわずに、目が慣れるまでしばらく(15分ぐらい)待つことも必要です。
- 船は時速40キロ以上で走っています。意外に風が強く、船首で発生した海水のしぶきがかかることもありますので、風下での観測をお勧めいたします。
- 外部デッキの暴露部は波しぶきがかかったり、潮風で濡れていることが多く、大変滑りやすくなっていますのでスリッパやサンダル等すべり易い履物は着用しないで下さい。また、デッキは海面上20m以上あること、万が一夜間航海中に海中転落されますと発見が困難であることから、手すりに寄りかからないようお願い申し上げます。