2024年03月22日
第17回「国土交通省バリアフリー化推進功労者大臣表彰」を受賞
News Release
株式会社商船三井さんふらわあ(社長:牛奥 博俊、本社:東京都千代田区、以下「当社」)は、2023 年に就航した日本初の LNG 燃料フェリー「さんふらわあ くれない」、「さんふらわあ むらさき」(註 1)のバリアフリー化整備、および両船の就航に合わせて新設した「さんふらわあターミナル(別府)」のユニバーサルデザイン化への取り組みが評価され、第17回「国土交通省バリアフリー化推進功労者大臣表彰」を受賞しました。
「国土交通省バリアフリー化推進功労者大臣表彰」は、2006 年施行の「バリアフリー新法」(高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律)の趣旨を踏まえ、国土交通分野におけるバリアフリー化の推進に多大な貢献が認められた個人又は団体を表彰し、優れた取り組みを広く普及・奨励することを目的として 2007 年度に創設された表彰制度です。
当社では、「カジュアルクルーズ」(註 2)」をコンセプトとして、気軽に非日常の船旅を楽しめる設備とサービスを提供してまいります。
バリアフリー化・ユニバーサルデザイン化への取り組み内容
■「さんふらわあ くれない」、「さんふらわあ むらさき」
スマート乗船チェックインサービス |
2 次元バーコードが乗船券と客室キーとなり、乗船時に発券カウンターでの手続きが不要
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エレベーター・人道橋 |
大型エレベーター2基を設置し、乗用車での乗船時に「エレベーター付近への駐車希望」にも対応可能。徒歩客用の人道橋は本船6階へ直結
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バリアフリールーム |
2 次元バーコードをかざすとドアが自動開閉。電動車いすも回転可能なスペースを確保し、万一のための非常呼出ボタンを設置
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コネクティングルーム |
高齢者を含む三世代のファミリーが船旅を楽しめるよう、スイート和洋室及びデラックス和室を隣接する洋室とコネクト可能へ(最大 7 名までの利用が可能)
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多目的ルーム |
手すりつきトイレ・シャワー、シャワーチェア、オストメイト用設備を設置
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デジタルサイネージ |
車いす利用者やお子様にも使いやすいタッチパネルで操作可能。緊急時には、表示が切り替わり緊急事態であることを周知
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その他の設備 |
ベビーケアルーム・キッズトイレを整備。レストランのビュッフェテーブルは、車いす利用者やお子様がご利用しやすい高さとし、ショップは車いすでも行き来しやすい通路幅を確保
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■さんふらわあターミナル(別府)
バリアフリー駐車場 |
ターミナルへ隣接する場所へ5台の屋根付きバリフリー駐車場を設置。うち2台はスルー型駐車場とした。
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バス・タクシー乗降場 |
路線バスのバス停及びタクシー乗降場をターミナル前に設け、ターミナル上屋を延長し雨天時でも雨に濡れない導線へ
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エントランス | 館内全体の触知案内図と人的サポートが必要なお客様へのインターホンを設置 |
発券カウンター | 車いす用のローカウンターと、視覚障害者のための点字ブロックで誘導したカウンターを設置 |
エレベーター | 本船 6 階乗船口まで 4 基のエレベーター(1 台はストレッチャー対応)を設置。かご内へ音声案内、低い位置の操作盤、浮き出し文字ボタン、点字表示、手すりを設置 |
トイレ |
バリアフリートイレ(多機能・車いす用)2か所と、男子・女子トイレ、男女共用トイレを設置。触知案内図、指向性に配慮した音声ガイド(日本語・英語)を設置
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カームダウン・クールダウンルーム |
気持ちを落ち着かせたいお客様用に個室を設置
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その他の設備 |
ベビーケアルーム・医療電源室・救護室・補助犬用トイレ・ペットお散歩広場・祈祷室・待合所充電コーナーを設置。各種サインは多言語(日英中韓)対応とし、ピクトグラムでの表記と案内図を設置
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■ソフト面の取り組み
ガイドラインの策定 |
公共交通機関として法令あるいはマナーとして求められる行為を明確にし、障害のあるお客様や
高齢者への合理的配慮を定めたガイドラインを作成
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予約センターの対応 | 電話予約時やインターネット予約時にお手伝いの要否をお伺いし、乗船港・本船とも情報を共有 |
各種研修の実施・参加 |
各種研修の実施や講習会などへ参加し、バリアフリー・ユニバーサルデザインの基礎知識や合理的配慮などについて学びお客様対応に生かしている。
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実施にあたっての意見反映
■「さんふらわあ くれない」、「さんふらわあ むらさき」
建造にあたっては、旅客船バリアフリーガイドラインの整備内容を満たしたうえで、国土交通省(近畿運輸局・九州運輸局)の移動等円滑化評価会議「近畿・九州分科会協働事業」にて、障害当事者から寄せられたレポート、当社フェリーへ乗船されたお客様からの船内アンケート・WEBアンケート、在籍する障害のある社員からのフェリー乗船体験レポートを参考とし整備へ反映しました。
■さんふらわあターミナル(別府)
施設整備にあたっては、公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団の協力のもと、別府市内の障害当事者団体、NP0 法人自立支援センターおおいた、別府・大分バリアフリーツアーセンターと協働し、行政(国・県・市)も参画した「別府港 UD ターミナル推進協議会」を設置。計画段階から障害当事者へのヒアリング等を行い、課題とそれを解決するための方法について協議しました。同協議会で取りまとめられた提言書を基に、新ターミナルの設計・施工を開始し、適時意見交換会を実施しながら、障害当事者の意見や最先端のバリアフリー・ユニバーサルデザインの考え方等を取り入れた施設整備を行いました。