1月25日(金) | |
18時頃 | 大阪南港 出港(フェリーさんふらわあ新造船「さんふらわあさつま」) |
1月26日(土) | |
09時頃 | 志布志港 入港(さんふらわあライナーで鹿児島移動) |
11時半頃 | 鹿児島中央駅 到着 |
12時半頃 | 「黒豚とんかつ丸一」で「ロースかつ定食」のランチ |
13時頃 | 「JR鹿児島本線」で川内へ |
15時頃 | 「肥薩おれんじ鉄道」で出水へ |
16時半頃 | 出水から「おれんじ食堂 4便ディナーコース」乗車 有明湾を眺めながら、優雅なディナータイム |
18時半頃 | 新八代着 徒歩にて高速バス八代バス停へ移動 |
19時半頃 | 八代IC発「高速バスきりしま号」乗車 |
21時頃 | 鹿児島空港着 かごしま空港ホテル泊 |
1月27日(日) | |
09時頃 | チェックアウト 鹿児島空港の足湯「おやっとさぁ」で温まる |
09時半頃 | 「ローカルバス」で日の出温泉へ |
10時頃 | 日の出温泉 日帰り入浴 源泉かけ流しの湯を堪能 |
11時半頃 | 「ローカルバス」で肥薩線嘉例川駅へ 駅舎見学 駅弁 百年の旅物語「かれい川」購入 |
12時頃 | 嘉例川駅より「JR特急 はやとの風1号」乗車 駅弁を食べつつ桜島を眺める |
13時頃 | 鹿児島中央駅着 お土産、弁当等買い出し |
14時頃 | 「さんふらわあライナー」で志布志港へ |
17時頃 | 志布志港 出港(フェリーさんふらわあ新造船「さんふらわあきりしま」) |
1月28日(月) | |
08時頃 | 大阪南港 入港 |
新造船「さんふらわあさつま・きりしま」の感想
白い船体に、オレンジ色で大きく描かれたにちりん。40年近く前、テレビCMや映画のシーンに出てきたフェリー。さんふらわあに乗ってみたい。幼心に思ったものだった。それから、気が遠くなるくらい、いくつもの時を経て、ようやくその夢がかなう日が来た。しかも、新造船。よもや当たらないだろうと思って出したモニターの当選通知に、心が躍った。
出港前 大阪南港フェリーターミナル
当日、大阪南港にて。まだピカピカ真っ白の「さんふらわあさつま」と初対面。これから15時間にも及ぶ船旅に期待は高まる。17時頃、第2ターミナルから乗船。解放感のあるエントランスで、クルーから声をかけられ、今宵の住処の案内を受ける。
我が城は、スーペリア、8m2の小さなお部屋。残念ながら窓はないが、テレビ、シャワーやトイレ、エアコン完備。清潔感に溢れておりファーストインプレッションは上々。荷物を置いて早速、船内探検スタート。ロビー、ショップ、レストラン、大浴場の位置確認。給湯室には電子レンジや製氷機もある。湯沸かし器はしっかり浄水フィルターも付いており、細かいところまでの気遣いを感じ嬉しくなる。
あっという間の出港時間。1月の太陽はすでに地平線の向こう。暗くなってゆく中、煌々と輝くターミナルの前で、さんふらわあの職員の方々、総出で手を振ってお見送り。デッキを吹く風はとても寒かったが、暖かさを感じる瞬間、船旅への期待はさらに高まる。
期待のクライマックスはやっぱりディナーだろう。さんふらわあさつまのレストランは出港直後にオープン。バイキングとのことで、昼食をセーブして臨む。窓際の席を確保して、早速、料理を取りに行く。豊富な野菜をそろえたサラダ、前菜のお惣菜が10種類近く、焼きそば、サイコロステーキ、メンチ、点心など。それに、コールドケースの中にローストビーフとかんぱちの刺身。ご飯ものとして、炊き込みご飯、カレーライス、スープ、みそ汁。デザートもフルーツやケーキ、アイスクリーム。そして、ソフトドリンク飲み放題。はっきり言って、これで2,000円は破格値だと思う。地上のレストランでもなかなかこうはいかないだろう。味も上々。ということで、ワインや焼酎を楽しみながら、漆黒の海に時より見える灯りを眺めつつ、のんびりと食事を楽しむ。何せ時間はたっぷりある。お酒と雰囲気にいい具合に酔うこと2時間近く、極上の時間を過ごした。食べることと飲むことに夢中で写真を撮り損ねたのが痛い。お腹をすかせていたこともあって、もちろん食べ過ぎ。たまには(?)いいことにしよう。
20時からは、さんふらわあミュージックナイトというイベント。泉 佳穂さんのオーボエ、よし笛によるクラシックコンサート。お腹いっぱいで苦しかったが、生演奏の音色が心地よく、ついうとうとしてしまう。よし笛は初めて聞く音色で、木管の持つやわらかい音色に心が癒される。30分の予定を大幅にオーバーして、となりのトトロなどの親しみのある曲も含めたライブだった。泉さんも楽しそうに演奏しており、食後に豊かなひとときを過ごすことができた。
コンサートのおかげでおなかもこなれてきた。展望浴場は21:30までなので、慌ててお風呂に。まだまだ、新しくてきれいなバスルームで、1日の疲れを癒す。泡風呂で、体のコリまでほぐれてゆくようだった。さっぱりした。
城に戻ると、眠気が襲ってくる。スーペリアは個室で、必要なものはすべて揃っていて、快適。まだそれほど遅い時間ではないが、消灯時間は21:30。かつてよく乗ったブルートレインなどの夜行列車も夜が早かったなということを思い出す。早朝から行動していたこともあり、明日を考えて、早めに休むことにした。本当は胃袋が満杯なので、もう少し起きていた方が健康にはよかったかもしれないが…。結局、部屋のシャワーは使わなかったが、個室内でトイレ洗面を済ませることができるのは、周囲への気兼ねが不要でありがたい。
翌朝、6時半過ぎに目覚め、朝風呂を浴びる。航路は外洋を通っていたが、船の揺れは心地よいレベルで、睡眠を妨げるものではなく、熟睡できた。夜明けの海はどんよりしていたが、なにより海を眺めながらの入浴はとても気持ちがよい。アルコールはすっかり抜けたが、まだお腹いっぱいの感覚を引きずっている。やっぱり、昨夜は調子に乗って食べ過ぎちゃったことを再認識する。でも、満腹になるまで食べるってことは幸せなことでもあろうと、勝手に納得させている自分がいる。昼からも、鹿児島の美味しいものをたくさん食べる計画もあり、朝食はパス。給湯室のお湯を使って、持参のドリップコーヒーを淹れる。海を眺めながらのモーニングコーヒーもまた格別である。右舷には日南、大隅半島の海岸線を望めるようになる。今日も快晴。デッキに出て、朝の空気を思い切り吸い込む。寒いけれど、やっぱり気持ちいい。8時過ぎには志布志港湾に入っていき、定刻に志布志入港。連絡バスのさんふらわあライナーで11時過ぎには鹿児島につくことができた。
記念写真コーナー
2日後に、今度は大阪行き、兄弟船のさんふらわあきりしまに乗船。違いは船名だけ?カラーリングもすべて一緒であった。日曜日は出港が早い。おかげで、海に沈む夕陽を眺めながらのクルーズを楽しめた。船内イベントで、似顔絵を描いてもらったり、プロジェクションマッピングを楽しんだり。コンサートはなかったが、十二分に楽しめた。どうして、日曜日だけ時間がかかるのか?とクルーに伺ったところ、燃料消費の調整などの理由とのこと。きっと、トラックのドライバーさんも日曜日はゆっくりしたいんだろう。
さんふらわあきりしまからの落陽
行きも帰りもあっという間の15時間だった。フェリーは移動の手段でもあるが、その時間を十分楽しめる、まさにカジュアルクルーズといったところかと思う。自分の時間がたっぷりあることの贅沢さを堪能できた。スーペリアには残念ながら窓はないが、テレビでブリッジからの景色が眺められるのもGood。映画チャンネルもあったが、上映タイトル、スケジュールをどこかに掲示してくれれば、これらも楽しめるだろう。また、メールなどは船内の無料Wifiでなんとかアクセスすることができた。便利な世の中である。本当にいい思い出になった。困ったことに、さんふらわあの歌がその後ずっと、頭の中でリフレインしている。
♪さんふらわあ、さんふらわあ、太陽に守られて、行こう♪
YouTubeにアップされている歌と画像をPCで楽しみながら、次はいつ乗れるだろうと考えている。さんふらわあ関係者の皆さま、イベントを彩ってくださった方々、いつまでも思い出に残る楽しい旅を本当にありがとうございました。
旅行の感想
さんふらわあで鹿児島に行ったら、美味しいものと乗り物を楽しもうと計画を立てた。最初は、指宿にも足を延ばして、砂湯と「指宿のたまて箱」号を楽しもうと思っていたのだが、当初の計画より予定を1日前倒ししたため、復路の志布志港発が日曜日になってしまった。日曜日の出港は他の曜日より1時間近く早いので、時間的に余裕がなくなってしまい、指宿を断念、代わりに「はやとの風」と鄙びた温泉に立ち寄ることにした。
まずは、さんふらわあライナーで11時ごろに鹿児島中央駅に到着。桜島を眺めつつの楽しいバスの旅路であった。朝を抜いていたので、ようやく空腹を覚える。500メートルほど歩いて、黒豚とんかつ丸一を目指す。11:30の開店前にすでに30人近い行列。さすが人気店。結局、席につけたのは12:20頃。いやいや参りました。おかげで、空腹度が上がってよかった。店内には、九州新幹線開業時のポスターが展示してある。お待ちかねの黒豚ロースかつは期待以上のお味。ボリュームもたっぷりで大満足。1時間並んだ甲斐が、いや、わざわざ神奈川から食べに来た甲斐があるというもの。
- 車窓からの桜島
- 丸一のとんかつ
再び鹿児島中央駅に戻る。途中、さんふらわあカラーの路面電車にも遭遇。こうやって、さんふらわあは、鹿児島にも息づいているんだなと思う。鹿児島中央駅からは、JRと肥薩おれんじ鉄道を乗り継いで出水へ。途中、雪がちらついたりしてびっくりもしたが、たそがれ近づく出水は、いい天気。これから、約2時間、おれんじ食堂のプレミアムディナーに乗る。今回のモニターツアーに当たった時には、真っ先にこれに乗ろうと思っていた代物。その時を迎え、期待に心踊る。藍色の列車が入線。記念写真後、颯爽と乗車。室内は水戸岡デザイン、木材をふんだんに使い、テーブルライトには暖色の灯りが。とても良い雰囲気。16:40、おれんじ鉄道の社員の方々に見送られて発車。早速食事スタートと思いきや、水俣発車後からだそうで。その前に、アテンダントの方の挨拶放送、そして、鹿児島-熊本県境で、列車は停止。境橋の説明が入る。鹿児島本線だった時には、幾度か通った路線のはずなのに、車窓から明治に作られた歴史的な橋が眺められるなんて知らなかった。100年以上、いくつもの時を超えてきた橋に敬意を示し、列車は薩摩から肥後に入っていった。
おれんじ食堂
水俣駅では、名産品のお土産(金平糖)を頂き、水戸岡デザインの駅舎を眺める。雰囲気のよさそうなレストランスペースがあったが、残念ながら閉店してしまったよう。いつか、この場所で食事を楽しめる日が来ることを祈る。水俣を出るとお待ちかねの食事スタート。冬限定で和食のコースとのことで、うれしい限り。まずは前菜から。黒豚のボロニアソーセージや椎茸の肉詰めなどのメニューから、赤ワインでスタートする。いやいや、これが美味しい。ワインとのマリアージュも最高。暮れゆく景色を眺めながらの優雅なひとときに幸せを感じる。津奈木町のシンボルである重盤岩が左手に。なんとモノレールがある。乗り物好きとしては、再訪を誓わずにはいられない。これもおれんじ食堂車内での説明があってこそ気付くもの。うれしい発見である。
そして、魚料理。鹿児島県産ぶりの照り焼き。合わせて焼酎も。もう、これがたまらない。ほろ酔い状態も手伝って、ご機嫌ご機嫌。ゆっくり味わっていただく。肉料理は黒豚の塩麹漬け。野菜を含めて、黒酢とマーマレードソースとの組み合わせがとてもよく合う。たかえびと柚子のお吸い物も絶品。列車の中とは思えない味にご満悦。隣の1号車では博多俊輔氏のJAZZピアノによるクルージングコンサートも。軽快に奏でる音楽と、暮れゆく有明湾、遠くに見える天草の車窓。夢心地というのはまさにこのことだろう。抹茶のケーキにコーヒーのデザートで旅の余韻を味わいつつ、おれんじ食堂は終点、新八代着。あっという間、料理もお酒もおいしかった。それ以上に、一生懸命にもてなそうとしてくださるアテンダントさん達の思いが伝わってくるような、そんな印象に残る大満足の2時間だった。
メインの料理
しかし、ここからちょっと頑張らなくてはならない。最初は新幹線で鹿児島に戻ろうかと思っていたのだが、1時間も待たなないと下り列車は来ない。最初に記したように、明日は、霧島の温泉に入った後に「はやとの風」に乗る計画である。乗り物好きとして、何か変わった手はないか? 新八代駅と九州道八代ICは2キロちょっと。酔い覚ましと腹ごなしを兼ねて歩くことにした。天気が悪かったらタクシーかなと思っていたが、幸い星も見える空、風は少し冷たいが30分ちょっと畑道を歩き、高速バスの八代ICバス停にたどり着いた。そこから高速バス「きりしま号」に揺られること90分。鹿児島空港着。21時過ぎに近くのかごしま空港ホテルに投宿。サウナで汗を流して、充実した一日を振り返った。
翌朝、1/27。今日も快晴。9時過ぎにホテルを出て、鹿児島空港へ。バスの待ち時間の間、足湯「おやっとさぁ」で温まる。この足湯。出てから、足がホクホクになることに気づく。このまま飛行機に乗って、鹿児島離島めぐりも楽しそうだが、今日はさんふらわあきりしまが私を待っているはずなので、そうはいかない。マイクロバスの妙見路線バスに乗り込み、日之出温泉へ。のんびり1時間、日帰り入浴を楽しむ。わずか200円。あつ湯とぬる湯の2つの浴槽があり、源泉かけ流し。炭酸水素塩泉とのこと。ぬる湯は長湯できる。また、あつ湯で火照ったら、展望デッキに出て涼んだり、水風呂に入って冷やしたりすることもできる。展望デッキからは、川の流れも見えていい雰囲気。ときより、鹿児島空港からの飛行機が轟音を立てて飛んで行き、空港に近いことを知るが、それさえなければ空港からわずか30分たらずでたどり着けるところの温泉とは思えないだろう。
日の出温泉
マイクロバスで嘉例川駅に戻る。この駅舎は明治36年に建立され、100年を超える歴史のあるもので、ノスタルジーを感じる。早速、楽しみにしていた駅弁「百年の旅物語 かれい川」を購入。特急「はやとの風」号がちょうど到着し、名誉駅長と記念写真。あっという間のひと時だったが、このあと小一時間「はやとの風」に揺られる。運よく空いていた展望スペースに陣取り、先ほどの駅弁を開く。地元でとれた食材を使った鹿児島郷土料理。ガネやコロッケ、炊き込みご飯の椎茸がとてもおいしい。まずは焼酎を飲みながら、おかずをつまむ。昼間からお酒を飲んで、美味しいものを食べて、車窓を楽しむこの贅沢。日豊本線に入ると、きれいな桜島も見えてきた。高速道路よりも海岸沿いを通るので、ほろ酔い気分も手伝って、より楽しめる。13時前鹿児島中央駅着。あっという間の風列車の旅は終わる。もう少しゆっくり走ってくれてもいいのに、特急だけど。
- 嘉例川名誉駅長と
- 駅弁「かれい川」
鹿児島中央でお土産として金柑を、夕食として薩摩黒膳という弁当を買い込み、往路と同じさんふらわあライナーに乗り込む。睡魔も手伝いうとうとしつつ、16時前に志布志港着。鹿児島の旅はここで終わりだが、あと15時間、さんふらわあの船旅を堪能できるとあって、旅の終わりの寂しさを感じることはなかった。1泊2日、駆け足の乗り物と鹿児島のうまいもの堪能の旅だったが、天気にも恵まれ充実感でいっぱいであった。行けなかった指宿の砂湯やら、車窓で発見した重盤岩のモノレール、乗れなかった「指宿のたまて箱」号は次回の課題。旅には宿題を残しておいた方が良い。また来る日のことを思うことによって、都会での日々の暮らしに張り合いが出るはずだから…。