商船三井さんふらわあ 関西↔九州航路

運航状況

株式会社フェリーさんふらわあは、商船三井フェリー株式会社(首都圏~北海道航路)と合併し、2023年10月1日より、株式会社商船三井さんふらわあとして発足いたしました。

モニター当選者様 乗船レポート(2019年1月 鹿児島県 Y様)

乗船体験レポート 2019年1月 鹿児島県 Y様

行程
1月25日(金)  
 18時頃 志布志港 出発(フェリーさんふらわあ新造船「さんふらわあ きりしま」)
1月26日(土)  
 08時頃 大阪南港に到着(以後、マイカーで移動)
 09時30分
 ~14時30分
箕面大滝(箕面市)を観光
(徒歩で滝道を散策、途中、箕面公園昆虫館を見学、滝道で昼食)
 15時
 ~16時頃
勝尾寺(箕面市)を拝観
 17時 ホテル(豊中市千里中央)にチェックイン
1月27日(日)  
 08時 ホテルをチェックアウト
 09時30分
 ~13時
北野異人館街(神戸市)を散策
(北野美術館、うろこの家などを見学、三宮駅付近で昼食)
 13時
~14時30分
東遊園地(神戸市)
1.17希望の灯り、慰霊と復興のモニュメントを見学
 15時30分
 ~16時
大阪南港野鳥園を散策(大阪市)
 16時頃 大阪南港ターミナルに到着
 17時頃 大阪南港 出発(フェリーさんふらわあ新造船「さんふらわあ さつま」)
1月28日(月)  
 09時頃 志布志港に到着

新造船「さんふらわあさつま・きりしま」の感想

今回のモニター旅行では、往路(志布志港→大阪南港)は「きりしま」、復路(大阪南港→志布志港)は「さつま」に、私たち夫婦2名で乗船させて頂きました。

「きりしま」と「さつま」は、船首付近に書かれた船名を見ない限り、全く見分けのつかない、ともに超豪華な新造船でした。今回は、マイカー + フェリーの組み合わせの旅でした。客室は展望デッキと同じ最上階(8階デッキ)にある「スイート」の部屋を用意して頂きました。

ターミナルで車検証と乗船名簿を持参して乗船手続きを済ませ、窓口で受け取った客室のカードキーと、行き先が印刷された紙を持って自動車に戻ります。その紙は誘導員の方からよく見えるようにダッシュボードに置き、2名分のカードキーは誘導員の方が携帯しているバーコードリーダー(?)のような機器で読み取られ、おそらくこれが確かに乗船しましたという確認になるのでしょうか。しばらくすると乗船の時が来て、誘導員の方の指示に従って船の可動橋を通り、3階に相当する車両デッキの中に進入します。


新造船

車両デッキはまずその広大な空間に驚かされます。往路(きりしま)では、さらにスロープで1階下(2階デッキ)に進み駐車、一方、復路(さつま)では、スロープで1階上(4階デッキ)に進み駐車しました。実はここで少し注意が必要となります。自分が駐車したところが何階のデッキなのかをしっかりと記憶しておかないと、下船時にその階を探し回ることになります。実際、復路の志布志港での下船時には、自分の車の置き場所が分からなくなったと思われる旅行者の方が船員の方に助けを求められているのを見かけました。迷子になるほどたくさんの自動車を積載できる大きなフェリーです。さんふらわあに自動車で乗り込まれる方はくれぐれもご用心を。

客室で必要な荷物だけ自動車から持って出て、エレベーターで「スイート」の部屋がある8階デッキまで一気に上がります。エレベーターのドアが開くと、そこは車両デッキの硬い雰囲気とは全く違った優しい空間が待っていました。船内に入って先ず目につくのは、何と言ってもエントランスホールの3フロア(6~8階)吹き抜けのアトリウム。
広い、明るい、きれい、の三拍子揃った造り。この空間なら12時間を超える船旅も快適に過ごせるはずです。私たちが泊まる「スイート」は8階デッキに12室のみ。なんと贅沢な設計でしょうか。部屋の入口のセンサーにカードキーをタッチさせ、ロックが外れたら部屋に入ります。「スイート」は全室が海側に面しており、太平洋から潮風を直に感じられる専用バルコニーがあります。

  • 新造船
  • 専用バルコニーからの日の出

さらに、バスタブ、シャワー、トイレ、洗面台、テレビなど、一晩快適に過ごすための充実した設備が用意されていました。船室のテレビでは船のブリッジ付近に設置されたカメラからの前方の映像をリアルタイムで観ることができ、少しだけ船長さんになった気分です。

6階デッキの船上レストランでは、夕食、朝食とも、バイキングスタイルの食事が用意されており、下船前に船内で朝食を済ませると、旅行先での限られた時間を有効に使えるのでとても助かりました。

今回は真冬の寒波が到来している中での航海となりましたが、心配していた船の揺れも全く気にならず、夫婦とも船酔いすることもなく、夜は広いベッドでぐっすりと眠ることができました。モニター旅行の3泊4日は飛行機の旅では絶対に経験することができない、ゆったりとした記憶に残る船旅となりました。本当にありがとうございました。


旅行の感想

マイカーを利用した新造船のモニターツアーは当初、秋に予定していましたが、事情により真冬の1月下旬に変更。旅行期間中の天気予報は、全国的に寒波が到来し、関西の平地でも雪になるかもしれないということで、念のためタイヤチェーンを車に載せて「きりしま」に乗船。志布志港を離岸する時、10名程のターミナル職員の皆さんが青いライトを振りながらいつまでもいつまでも見送ってくれます。私たち夫婦も負けじと客室の専用バルコニーから手を振り返します。これほど手を振り続けたのは何十年ぶりでしょうか。船内アナウンスでは、往復に同じフェリーを利用する「弾丸ツアー」での伊勢方面への団体さんがおられるとのこと。フェリーを利用するとそのような楽しみ方もあるのだと感心。

翌朝、大阪南港で下船。梅田を過ぎて新御堂筋の突き当たりまでひたすら北上。阪急箕面駅近くの駐車場から箕面大滝まで片道3.1kmの滝道を頑張って歩きます。15分ほど歩いたところに「箕面昆虫館」。ここの館長さんはユニークな方のようで、ひと味違う標本展示でした。館長さんの研究グループが同定した琥珀中の新種の昆虫の学名がカマキリ先生としても有名な俳優の香川照之さんの名前に由来しているとか。四季折々の植物の中、たくさんの蝶が飛び交っている放蝶園(温室)では、ゆったりと楽しむことができました。

昆虫館を出てしばらく歩いていると、滝道沿いを流れている箕面川の水面を大勢の観光客が覗き込んでいました。近寄って尋ねてみると、川底に天然記念物のオオサンショウウオがいるとのこと。このあたりのオオサンショウウオを知る人の話では、いつもはもっと上流に生息しているらしいが、大雨で下流に流されるとのこと。箕面公園一帯は昨年9月に関西を直撃した台風21号で、大量の倒木や崩落など被害甚大だったとのことで、このオオサンショウウオもその時に流されてきたのかもしれません。


写真の中央付近で頭部が土嚢に隠れている

現在は滝道の至る所で修復工事が進められています。途中、時々雪が舞い散る中、疲れ出した頃に大滝が見えてきました。
ベンチで休みながら、夏に訪れたら涼しいだろうなぁ、秋に来たら紅葉がきれいだろうなぁと想像していると、野生のニホンザルが近くで休憩していた観光客のカバンの中からビニル袋を奪って逃亡。滝道では持ち物に気をつけないといけないようです。

箕面名物の「もみじの天ぷら」を食べながら滝道を戻り、駅近くのうどん屋さんで昼食。

駐車場に戻り、箕面の山奥にあるパワースポットで「勝運の寺」「勝ちダルマ」の寺としても人気のある勝尾寺へと曲がりくねった山道をドライブ。勝尾寺に到着した頃には雪がかなり強く降ってきました。

勝尾寺の境内には至る所に無数の小さなダルマが置かれています。雪降る中を広大な境内ぐるりと一周歩いてきたので、勝運のご利益を授かれたはずです。勝尾寺の駐車場を出る時には雪も降り止み、タイヤチェーンの必要はなくなりました。新御堂筋を通って予約していた千里中央のホテルに到着。夕食後、ホテルの部屋のテレビでは、全豪オープン女子決勝戦が生中継をやっていて、大坂なおみが勝てば世界ランキング1位ということで、気づいたらゲーム終了まで応援していました。ゲームが終わって寝る前にホテルの窓から外を眺めると、眼下の駐車場の多くの自動車の屋根に雪。テレビを観ている間にかなり降っていたようです。翌日は六甲山経由で神戸市内に行く予定でしたが、標高のあるところは道路凍結の心配があったので、牧場見学は諦めることにしました。

翌朝、ホテルをチェックアウトして外に出てみると、積もっていた雪はすっかり消えていました。国道2号を西に向かうと、1時間程で三宮駅近くの駐車場に到着。徒歩で異人館街がある北野エリアへ。朝早く到着したせいか、観光客はそれほど多くはありませんでした。最初に旧アメリカ領事館官舎の北野美術館で画家ロートレックの作品を鑑賞。
その後、急な坂を登り詰めたところにある「うろこの家」へ。この建物では来館者が途切れると薄暗い館内を走り回る子供の気配と無邪気な笑い声が聞こえてくるらしいとか。

怖。お昼を回ったので異人館街を後にし、三宮駅付近で昼食。運ばれてきたラーメン、何か違うなと思ったら、店員さんが小皿に入ったネギを持って来て、ラーメンにネギ入れ忘れたとのこと。どうやら開店間もないお店で従業員さんがまだ慣れていなかったのかもしれません。

異人館巡りで少々疲れ気味になったので、三宮駅の地下街でコーヒー飲みながら小休止。元気を取り戻し、地下街の端まで歩いたところで外に出ました。そこはきれいに整備されている東遊園地。毎年12月に阪神・淡路大震災の発生を契機に鎮魂と追悼、街の復興を祈念して開催されている神戸ルミナリエの会場の場所でした。「1.17希望の灯り」や「慰霊と復興のモニュメント」を見学し、改めて大震災の怖さを痛感させられました。

夕方になりフェリーの出港時刻が近づいてきました。大阪湾の海沿いの港湾幹線道路、阪神高速5号湾岸線を一気に走り抜けて大坂南港に到着。日曜日にもかかわらず、神戸三宮から大阪南港まで渋滞無く30分程度で戻れるのはとても助かりました。出航まで時間に少し余裕があったので、ターミナル近くの野鳥園に立ち寄ってみました。野鳥観察棟では多くの方が望遠レンズがついたカメラで遠くの干潟を狙っていました。出航までのんびり時間を過ごせる都会のオアシスのような場所でした。

出航1時間前になったので、第2ターミナルに向かうと私たちの「さんふらわあ」が待っていてくれました。


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