26年ぶりの鹿児島
6月22日(土)
(11時半)安曇野発-(高速経由)-(19時)大阪着(泊)
途中、駒ヶ岳SAで昼食。梅雨どきのどんよりとした空模様で、駒ヶ岳は雲の向こう。恵那山トンネルに差しかかると大降りの雨。名古屋に入ると一転して快晴。大阪まで渋滞もなくスムーズなドライブ。
6月23日(日)
(17時)大阪南港発(船中泊)
阪神高速出口から南港かもめ埠頭まで、広い道路をトラックにせき立てられるように走る。間近に見る「さんふらわあ」は、思ったより大きい。エレベーターもあり、車から船室までの移動も苦にならない。ドラの合図で出港後、デッキで風に煽られながら大阪湾を眺めていると夕食のお知らせ。バイキングなので娘たちは各々好きなものをとって食べる。
6月24日(月)
志布志発-都井岬-油津港-飫肥城址-酒谷-都城-(16時半)霧島着(泊)
志布志は雨、湿度が高く、湯気の中にいるよう。ところどころ見かける高い石塀の家に南国らしさを感じる。海岸沿いに都井岬へ。「今日はお馬さん、でているかな」と駒止ゲートのおばさん、「今日はあいにく霧で何も見えないけど、のぼられます?」と灯台のおばさん。御崎馬は雨の中、黙々と草をはんでいる。その中に一頭「逞しい」元気な牡馬。娘たちが気付いて、大はしゃぎ。顔を赤らめることなどまだまだ知らない天真爛漫な年頃。ずいぶんと寂れてしまった都井岬、御崎馬はまだまだ健在。サルが芋を洗う辛島を経て、日南海岸を油津港まで北上。雨脚強まり、娘たちは後部座席でスヤスヤ。お昼は港町で寿司ともいかず、内陸へ。飫肥の城下町は土砂降りで、車中から雰囲気を感じただけで通過。酒谷の道の駅で遅い昼食、坂元の棚田にちなんだ「棚田うどん」とおにぎりを頼む。おにぎりは、お米が一粒一粒つやつや、ふんわり握られていて、とてもおいしい。雨で棚田見学もせず、都城経由で霧島へ。山道に入り高度はどんどん上がる。霧島神話の里公園で車を止める。雲の切れ間からわずかに錦江湾が見える。丸尾の滝をすぎるとホテルはすぐ。お風呂がすべて家族湯で、娘たちとゆったり入れた。みやまホテル(泊)
6月25日(火)
(10時)霧島発-霧島高原乗馬クラブ-嘉例川駅舎-かごしま水族館-(16時)与次郎ケ浜着(泊)
今日も雨の予報、霧島連山は雲の中なので山を下りることに。宿の女将さんによると、今年は火山灰の影響で、ミヤマキリシマがたくさん花をつけ、山いちめんがピンクに染まったと。霧島高原乗馬クラブに立ち寄り、娘たちは室内馬場で乗馬。鼻に白い斑のある「まめ太」に乗る。「まめ太」が気に入った娘たちはいつまで帰りたがらない。嘉例川のふるい駅舎で肥薩線を見送り、加治木まで下りてくる。マックで昼ご飯。錦江湾沿いに鹿児島市内に向かう。大降りの中、重富や竜ヶ水では海に迫り出したシラスの崖と海の間を縫うように走る。磯庭園(仙巌園)、異人館を過ぎるとすぐに市内。ハンドルを握りながら「ああ、ここ、ここ。変わってない」と26年ぶりに見る鹿児島市内の風景に一人ではしゃいでいると、上の娘が「なに一人で楽しんでいるの?」と。雨でも見られるところがいいと飛び込んだ、かごしま水族館は修学旅行の小学生がいっぱい。暗い室内から見る黒潮大水槽は海に潜っているかのような雰囲気。いくつか水槽をまわるが娘たちはお魚さんにはすぐ飽きてしまう。ホテルに着く頃には雨も小降りに。雲のかかった桜島を眺めながら部屋でくつろいだ後、フロントで教えてもらった裏手の回転寿司で夕食。白身の魚が種類も豊富でおいしい。ホテルウェルビューかごしま(泊)
- 霧島高原乗馬クラブ
- 嘉例川駅
6月26日(水)
(10時)与次郎ケ浜発-谷山-(17時半)指宿(泊)
小雨のぱらつく中、産業道路沿いに薩摩半島を南下。母校に立ち寄る。部活の顧問だった先生と校舎を回る。教室では授業中だったり、テスト中だったり、プールでは寒そうに泳ぐ生徒たちの姿。寮の食堂では寮母さんたちが昼食の準備に忙しい。何十年と変わらぬ、学校の日常の光景。職員室で懐かしい先生を見つけて挨拶。少年相手の仕事ゆえ、先生方は何年たっても我々が習っていたときと変わらぬ若さを保っていて、羨ましい。下宿先周辺を散策。谷山を後にして、薩摩半島を再度南下。喜入の石油コンビナートの沖にはタンカーが2隻停泊している。指宿市内で砂むし会館「砂楽」に立ち寄る。娘たちも珍しさが手伝い、横になって砂をかけられ、しばし熱さを我慢。今晩のホテルは山の上にあり、大隅半島まで一望できる。夕食後、部屋に戻ると夜景が美しい。家族湯でもう一度汗を流す。指宿ベイテラス(泊)
6月27日(木)
(10時)指宿発-池田湖-開聞岳-唐船峡-谷山-鴨池-(錦江湾フェリー)-(17時半)垂水(泊)
ホテルのある山から池田湖に下る。池田湖の南には開聞岳、山頂に雲がかかっている。何度も何度も登った山だが、その姿を見るとまた登りたくなる。山麓の自然公園に立ち寄る。娘たちがトカラ馬にニンジンをやって楽しむ。トカラ馬たちはおかわりまでもらって満腹。車で展望台まで上がる。眼下には池田湖、長崎鼻に打ち寄せる波…。昼食は唐船峡で流しそうめん。円卓上の水槽でそうめんがくるくる回るので、いわば回転そうめん。三十年前と変わらない。池田湖畔で見かけた遊具で遊びたいとねだられ、娘たちとひとしきりターザンごっこをし、薩摩半島を北上。谷山の明石家でかるかんを買う。谷山駅周辺もなんとなく変わってしまっていて、友人の実家を訪ねようと思い、路地を入ったものの、記憶がよみがえらず、探し当てられず。鴨池港からフェリーで垂水へ。今夜の宿は民宿。娘たちは興味津々。夕食はおいしく、満腹。お風呂は五右衛門風呂。古民家の宿たるみず(泊)
- 開聞岳と池田湖
- 開聞岳山麓自然公園トカラ馬
- 唐船峡そうめん流し
6月28日(金)
(10時)垂水発-鹿屋-吾平-内之浦-(17時)志布志着(船中泊)
仲良くなった民宿の家族に別れを告げ、鹿屋へ。航空基地史料館で退役隊員による訥々とした語り口の解説に耳を傾け、特攻隊員の遺影に涙する。娘たちは哨戒機のコックピットでパイロット気取り。吾平自然公園のウォーターパール館に立ち寄る。吾平は深い緑の山々に囲まれ、静寂がつつむ、神々しさを感じる場所。姶良川沿いの岩窟が吾平山陵に治定されており、小伊勢と称されるのも頷ける。高千穂峰もそうだが、ここ吾平も我々の感性に何かを訴えてくる雰囲気がある。国見トンネルをぬけ、内之浦の宇宙空間観測所へ。8月にイプシロンロケットが打ち上げられるので、ミューセンターには入れず、展望台より観測所を一望する。再び国見トンネルを通って志布志へ。週末のせいか、乗客は往路より多い。夕食がすむと、娘たちは船室で早々に眠りにつく。船底から伝わるエンジンの鈍い響き、船首がかき分ける白い波、陸からチカ、チカと届く灯台の光、いつまでも余韻の残る鹿児島の旅だった。
鹿屋航空基地史料館