「まだ知らない鹿児島大隅」を知っていく最終日

「さんふらわあ」ではじまった鹿児島の旅もこの日が最終日。最後は朝から晩まで大隅半島の絶景を味わいつくします。

名残惜しくも白水館をチェックアウト

まずは白水館からの日の出を堪能…といきたいところでしたが、この日は運転中心の旅程だったので少しだけ寝坊させてもらいました。とはいえホテルからは錦江湾(きんこうわん)と大隅半島(おおすみはんとう)を挟んでこの眺め!ぜひみなさんは美しい日の出のタイミングに早起きしてみてください。ちなみに大浴場に翌日の日の出の時刻が書いてあって、とても親切です。

また、この日は時間の都合で立ち寄れませんでしたが、ホテルには薩摩地方の美術品などを集めた「薩摩伝承館(さつまでんしょうかん)」という美術館が併設されています。こういった地元の美術館などは、知識の面から旅をよりいっそう楽しくしてくれますので、強くオススメします。なお、コレクションの一部は白水館の館内にも展示してありますので、そちらもお忘れ無く(写真は白水館館内の展示の様子)。

再びフェリーなんきゅうで根占へ

ホテルをチェックアウトした後は、「フェリーなんきゅう」で再び大隅半島(おおすみはんとう)の根占港(ねじめこう)へ。この日はまず日本本土最南端の佐多岬(さたみさき)を目指します。

本土最南端の佐多岬で絶景と記念グッズを!

根占港から佐多岬までは約1時間。ほぼ信号無しですので、とても快適なシーサイドドライブです。

見て下さい、この絶景を。これは「南展望台」というフォトスポットからの眺め。

実はこの佐多岬、来年の3月オープン予定の新しい展望台および佐多岬公園を整備中で、先端まではいけませんでした。ただしこちらもオープンしたばかりの「南展望台」が眺めも良く、岬と灯台らしい眺望を楽しむなら、ここが最もオススメかもしれません。自撮り用の台も設置してあり、親切でしたよ。

また、その南展望台に併設の観光案内所では、様々な記念グッズを販売していまして、特に到達証明書は今後の旅のモチベーションにもつながるので、ぜひゲットしておきたいなと思いました。ちなみに案内所内には電源のとれる休憩所もありましたので、一休みするには絶好のスポットでした。

佐多岬公園

鹿児島県肝属郡南大隅町佐多馬籠417

0994-24-3115(南大隅町役場観光課観光推進係)

http://www.kagoshima-kankou.com/guide/10387/

日本最強の海鮮丼を「食事処 時海」のランチにて

さて、佐多岬の次は、同じ地区にある「最強の地方めし」と呼ばれるものを食べに行きました。

それがこちら。「食事処 時海(ときみ)」の名物丼「時海丼(ときみどん)」(1,200円、数量限定)です。

どうですかこの丼に収まりきらないボリューム!こちら、漁師から直送の新鮮な魚10種類ほどを分厚く、かつ大ぶりに切り分けて、花のように丼に並べるという、フォトジェニック以外のなにものでもない食べ物。見た目だけで無く味わいも一級品で、新鮮がゆえの、身の歯ごたえと甘みは、一般的な海鮮丼の認識が大きく変わってしまうこと間違い無し。ちなみにこの日はハガツオ、ブリ、ヒラソーダカツオ、カマス、アジ、サゴシ、ヤバタ、バリ、サバというラインナップでした。毎回中身が異なるってのも楽しいですよね。

なお、これを食べるためだけに佐多岬に来る人もいるというほどで、予約しておくのが間違いなさそうです。

お店の場所は少しだけわかりにくいところにありますので、道路のこの看板を見逃さないように注意してみてください。

食事処 時海

鹿児島県肝属郡南大隅町佐多伊座敷3931-2

0994-26-0663

http://tokimisata.exblog.jp/

海岸線のフォトスポット「道の駅 根占」

規格外のランチを食べた後は、絶景ポイントとして有名な「道の駅 根占」へ。黄金に輝く砂浜が有名ですが、ここはあえて大隅半島では何カ所かある「愛の巡礼地」シリーズとなっている、この鐘をオススメします。見てわかるようにこの鐘、見事に海の向こうの山と形がシンクロしていまして、これは見所だなと感じました。

今回僕は1人旅だったので鐘は鳴らしませんでしたが、特に夕暮れ時にこの鐘を鳴らせたら、とても力がもらえそうな感じです。

道の駅根占

鹿児島県肝属郡南大隅町根占山本6868番地

0994-24-5113

http://www.kagoshima-kankou.com/guide/10380/

山の上のビュースポット「パノラマパーク西原台」

砂浜の景色を楽しんだあとは、大隅半島を代表するビュースポットという「パノラマパーク西原台」へと進みます。

車でかなり細い道を登っていくことになりますが、これがまたフォトジェニックな道路でして、映画に出てきそうな雰囲気。こんな道をのんびりドライブするだけでも、かなり心が躍ります。

そうして辿り着いたのが、この絶景展望台!大隅半島から錦江湾をはさんだ薩摩半島までを一望できる、素晴らしいビュースポットです!!!パノラマパークの名は伊達じゃなかったですね。

美しく稜線の重なった、日本画のような景色も楽しめました。これは…いい!

時間さえゆるせば、夕暮れ時に訪れてみたいですねえ。

パノラマパーク西原台

鹿児島県南大隅町根占

0994-24-3115(南大隅町観光課)

http://www.kagoshima-kankou.com/guide/11205/

日本最大級のバラ施設「かのやばら園」

さて、この日は大隅半島を攻略するため、どんどん進みます。次に向かったのは、しばらく北上した鹿屋市(かのやし)にある「かのやばら園」。実は僕の趣味がバラの栽培なこともありまして、ここには来てみたかったんですね。8ヘクタールもの土地に3万5千株という日本最大級のバラ園は、バラ好きにはたまらないスポットとなっています。

折しも秋バラがはじまっていて、タイミングよく「かのやばら祭り2017秋」が開催されておりました。園内は「香りのゾーン」や「イングリッシュローズ」「オールドローズ」など、テーマをもったゾーンに分かれていまして、バラ初心者でも楽しみやすいつくりになっていました。何よりなだらかな斜面に作られたバラ畑の見事なこと!あまりのフォトジェニックさに、たくさんの人が記念撮影を行っていましたよ。

かのやばら園

鹿児島県鹿屋市浜田町1250番地

0994-40-2170

http://www.baranomachi.jp/

砂浜の上の鳥居「荒平天神」

続いて立ち寄ったのが、海沿いの砂浜に鳥居が建てられているという珍しいスポットの「荒平神社(あらひらじんじゃ。実は通称で正式名は菅原神社)」。満潮時には海の上の鳥居になってしまうそうで、それはそれで見てみたいですね。

なお、本堂へはかなり険しい階段を上らなければならないので、そちらだけご注意を。

荒平天神

鹿児島県鹿屋市天神町

0994-31-1121(鹿屋市ふるさとPR課)

http://www.kagoshima-kankou.com/guide/11761/

ある夫婦が作り上げた芸術「垂水の千本イチョウ園」

さらに北上して今度は垂水市(たるみずし)の名所、「垂水千本イチョウ園」へ。実はこちら私有地で、オーナー夫婦が4.5ヘクタールの土地に対し、約1,200本ものイチョウを1本1本植え、現在の状態を作ったという想いのこもったスポット。鹿児島ならず、九州を代表するフォトスポットが、こうしてたった2人の手で作られたということに感動します。それが無料で開放されているというのもすごいですね。

園内は3つのゾーンになっており、斜面にて立体的なイチョウ林が楽しめる中心的存在のBゾーン(上写真)や、坂を登って丘の上からイチョウ園を眺めるCゾーン、さらには桜島をも見渡す眺望を重視したAゾーンと、様々な楽しみ方ができます。

丘の上にはベンチが設置されていて、夕暮れ時には絶景になること間違い無し。かなり急な坂ですが、階段も設置されていますし、がんばって登る価値がありますね。

さらに眺望重視のゾーンでは…なんと桜島の噴火を目撃。九州には何度も来ていますが、噴火を目の当たりにしたのは初めてです。それがイチョウとセットなんて…あまりのタイミングの良さに自分がビックリです。周りにいた地元の方々の「桜島とともに生きる」的な会話も象徴的で、こうした異文化というか、まったく価値観や環境の異なる世界を感じられたのは良い経験でした。

最後に眺望ゾーンからの夕暮れ時の眺めはこんなにも美しく、ため息が漏れました。今回は紅葉時の訪問になりましたが、冬の枝だけの季節、春の新芽、さらには夏の緑に溢れた景色も、間違い無く素晴らしいことでしょう。ああ、近所にこんなスポットがあったなら…。大隅半島、深いですねえ。

千本イチョウ

鹿児島県垂水市新御堂

0994-32-1111(垂水市水産商工観光課)

http://www.city.tarumizu.lg.jp/kanko/koi/miryoku/meisho/senbon.html

桜島の絶景フォトスポット「荒崎パーキング」

この日の最後には、桜島のフォトスポットとして有名な、荒崎パーキングへと立ち寄り。海の向こうで夕陽に染まる桜島と噴煙を撮影して、大隅半島のフォトスポットをめぐるこの日の旅は終わりを迎えました。すなわち、さんふらわあでスタートしたこの3日間も終了です。

荒崎パーキング

鹿児島県垂水市錦江町1-199

0994-32-1111(垂水市水産商工観光課)

http://www.tarumizu.info/spot/view/8/

船で訪れるだけで、いつもとは不思議と違いを感じる旅に

大阪をスタートとする大型フェリー「さんふらわあ」を使った今回の旅では、「さんふらわあで鹿児島」「まだ知らない鹿児島大隅」をテーマとしていましたが、海から入った鹿児島にはなんだかずっと海の息づかいを感じてしまう、不思議な感覚がありました。これはいままでの鹿児島旅では感じたことのないもので、何度も鹿児島を訪れたことがある人にも、この「さんふらわあ」の旅は強くオススメしたいところ。

フェリーを使っての旅、はまってしまいそうです。

そしてなにより、まだ知らなかった鹿児島大隅の魅力ときたら!ここまで絶景というか、フォトジェニックなスポットが続くとは、予想もしませんでした。僕は静岡県の伊豆半島出身者なので、いわゆる「半島の景色」というものが染みついているのですが、そんな僕でも今回の旅では驚きの景色の連続で、鹿児島という土地の懐の深さを感じたものでした。

まだまだ知らないことはありますね。大隅半島は、その「知らないもの」をたくさん感じられるユニークな土地でした。素晴らしい旅をありがとうございました。

profile

のりおさん

ブロガー

1978年静岡県三島市生まれ。さいたま市在住。ブロガー、ライター、フォトグラファー。媒体への寄稿も多数。2000年より旅と写真とレビューのブログ「エアロプレイン」を運営。写真をまとめたflickrのアカウントは1600万回以上閲覧されています。日本国内外を旅行し、グルメ情報や観光情報などを写真で紹介するほか、ガジェットやカメラのレビュー、雑学やネットの話題もお届けします。最近の主なトピックは、子育て、バラ、レゴ。